今朝 目を向けるのは、世界の医療現場の未来について、です。「無医村地区」、という言葉を聞いたことはありますか?...文字の通り、医者がいない地域、を指します。体調に異変があった時、日本では気軽に訪ねることができる医療機関ですが、病院がない。お医者さんすら居ない。そういった地域が世界にはまだまだ多いのが、現状です。

外務省の医務官として世界各地に医療を届けてきた川原尚行さんは、こういった課題解決のために独立。「認定NPO法人 ロシナンテス」を立ち上げ、医療が受けられない地域に住む人々へ「医療」を届け続けています。「認定NPO法人 ロシナンテス」が主な活動場所としているスーダン、そしてザンビアの医療現場の今、うかがいました。

もうほとんどが無医村地区。医者を養成する医学部の数も限られ、卒業しても都市部に集中、もしくは海外にいくこともあり、地方にはほとんど医者がいない状況。なので看護師、保健師に研修を受けてもらい准医師として医療をしてもらっている。日本や発展している国のように病院を作るのは難しいので、無い中でどう届けるかと模索しています。

日本のように医療施設は作れない。そのなかでロシナンテスは巡回診療を実施。さらに、地域の皆さんにも医療に参加してもらう!医療研修や、病気になる前の「未病対策」を広げる活動を続けています。医療施設が足りない無医村地区で活動をするなか、今後はITを導入し、今ある命、そして、これから育まれる新しい命を守る活動がスタートしようとしています。

母子保健において日本では母子手帳がありますがアフリカで普及できないかなと。それも紙ではなくデジタルでできないかと長崎大学熱帯医学研究所と一緒に構想を練っている。導入するとお母さんのモチベーションも変わるし、子どもが生まれた証拠にもなり、学校の教育歴、ワクチン歴など、マイナンバーカードのようにならないかなと。いま足りない中で、ひとつデジタル化で素晴らしい医療が生まれてくるのではないかと考えています。

ITの導入で、この他にも無医村地区で撮影された超音波診断装置の画像を遠方にいる医療従事者に届け、正確な診断を仰ぐことができるようになるといいます。

誰一人として取り残されない社会のために。ロシナンテスのウェブサイトに、そのヒントがあります。ぜひご覧ください。

認定NPO法人 ロシナンテス