今朝ご紹介するのは、UniLeaf(ユニリーフ)という団体の活動です。こちらの団体が製作、普及されているのは、「ユニバーサル絵本」。

...え? ユニバーサルな、絵本?

というのも、これは一般的な絵本を解体。プラスチックシートに絵本の本文を 点字で打ち込み見開きごとに差し込み再製本した、目が見える人も、見えない人もいっしょに楽しめる絵本、なんです。元々は1980年代にイギリスで誕生した「ユニバーサル絵本」。UniLeafは、その技術を日本で展開。これまでに1000冊以上のユニバーサル絵本を制作し、視覚に課題を抱える子どもたちに無料で貸し出す活動を続けています。代表の大下利栄子さんにこの絵本を作り始めた経緯をうかがいました。

うちの娘が点字使用...、2才で失明して、横浜で制度が変わり全盲児第一号で普通小学校に入りました。それでも一緒にできることがなかなか無くて、先生方も制度だけ変わってもそういう子はほぼ初めてで、見えない子に緊張されていたと思いますが、6年間経って「彼女と過ごしたことは子どもたちにとって財産だね」って言っていただき、一緒に過ごせるものって大事なんじゃないかなって。一緒になる社会がいいのかなって感じて、で、この絵本に出会ったんです。

見える子も、見えない子も、一緒に楽しむことができる絵本。10年以上にわたって活動を続けてきた大下さんですが、その原動力には、こんな夢がありました。

私的には「一緒に過ごす重み」ってあると思うんです。大人は概念ができて「見えないからこうでしょ?」と上から入っていきがちだが、子どもは一緒に過ごすことで、カラダで理解する、、、「彼女は手を引いたほうが歩きやすそう、だから手を引く」みたいな。初め、イギリスのお話で、階段途中で座り込んでカードゲームをやっている若者、みんな熱中しているけど車椅子が通ったらそこでゲームを中断して車椅子を上まで持ち上げて、またカードゲームに興じているっていう話を聞いたんです。特別なことをするんじゃないけど、そういうときには手を出すものでしょ?それが普通でしょ?って。そういうの、すごくステキだなって思って。小さいときに一緒に過ごした経験があるとそういうことができるんじゃないかなっていう、私の希望というか、そんな風になったらステキだなと思って活動をやっています。

「困っている人を助ける」のが、ごく当たり前な未来。笑顔でつながりあった子どもたちなら、きっとその希望を現実にしてくれると 信じています。

ユニリーフが作る「ユニバーサル絵本」。点字を普段使用されている方、またはユニバーサルデザインにまつわる団体へ無料で貸し出しをおこなっています。保護者・介助者の皆さん、ぜひWEBサイをチェックしてください。