今朝は、安全な水を世界中に届ける活動をご紹介します。認定NPO法人ウォーターエイドジャパンから、事務局長の高橋郁さんをお迎えしました。

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Q  先日、日本では台風による水害が発生してしまいましたが、生活に欠かせない水をめぐる問題...、世界に目を向けると 深刻な状態が発生しているんですよね。

世界では7億8,500万人、およそ10人に1人が清潔な水を利用できない環境で暮らしています。さらに、およそ4人に1人が適切なトイレを利用できない環境で暮らしています。こうした環境では野外で排せつせざるをえず、水源が汚染されて病気がまん延しやすくなり、命を落としたり、慢性的な栄養不良に苦しめられたりします。

Q  団体は、「ウォーターエイド」、まさに「水のインフラ」を整えるために活動をされているんですよね。

1981年に発足。2018年現在、アジア、アフリカ、中南米など計34か国で水・衛生プロジェクトを実施しています。

Q  そもそも、各国で水にまつわる問題が生じてしまう理由とは。

  1. 清潔な水と衛生的なトイレの重要性を政府が理解していない。
  2. 給水サービスやトイレの設置サービスがあったとしても、貧困世帯が利用できる金額設定になっていないこと。
  3. 都市部から遠く離れた村、都市部のスラム、紛争や自然災害によってインフラが破壊された地域などでは、設備そのものが設置されづらい状況にある
  4. 障害がある、民族が異なる、カーストが低いといった理由で、地域のなかで差別を受けている人々がいること、あるいは取り残されているコミュニティがあること。

Q  「水を汲むために学校へ行けない子どもたちがいる」という啓蒙を目にすることがありますが、一方で、学校でも安全な水が不足や、インフラが整っていないとか?

ウォーターエイドの報告書「教室内の危機-The Crisis in the Classroom」(2018年 11月発表)によると、世界中の小学校の5校に1校、中学校の8校に1校には、トイレもありません。とある国では10人中7人以上が家庭にもトイレがないため、野外排せつをするしかありません。

Q  ウォーターエイドの活動で、それらの問題が解決する一方で、まだまだ課題は山積、という状況?

現在も各国政府やNGOなどの団体が活動していますが、現在のペースのままでは、すべての人が水くみから解放され、適切なトイレを利用できるようになるにはあと何十年もかかる。

これまで世界34ヵ国で活動、2,600万人にきれいな水を届けましたが、国連の「持続可能な開発アジェンダ2030(SDG's)」を踏まえ、ウォーターエイドは2030年までにこのビジョンを実現するために、皆さんの協力が必要。

Q  今ある生活はもちろん、水の問題が解決することで未来の地球のカタチが変わってきますよね?

水くみから開放された子どもたちが学業に専念できる環境になれば、未来の地球が変わるかもしれない。ぜひご支援を。

~ウォーターエイドジャパンの取り組み、そして世界の水をめぐる問題について、詳しくは番組サイトにリンクを掲載します。

https://www.wateraid.org/jp/