今朝は、公益社団法人 ギャンブル依存症問題を考える会から代表の田中紀子さんをお迎えしました。
田中さんには今年の4月、「依存症問題の正しい報道」について、このコーナーでお話をうかがいました。
Q 田中さん、まずは「ギャンブル依存症」について、どういった状態を指すのか、ご解説いただけますか?
最初は軽い気持ちで始めたギャンブルが、いつの間にかやらないと落ち着かない状態になり、次第に欲求をコントロールできなくなります。ギャンブルなどの強い刺激に触れると、脳内ではドーパミンが分泌され、脳の報酬系部分が異常に活性化されます。特効薬はなく、進行性で不治の病と言われる自然治癒が非常に困難な病気。
Q そして、いまの時期にその問題に直面する方が増える傾向にある、ということなんですが、なぜでしょうか?
- 盆暮れ正月と人が浮かれている時に孤独感が募る
- 暇な時間ができる
- ボーナスが出た
この3点が重なり、ギャンブルにのめり込んでしまう方が増えるのが、この夏時期。
Q その依存症の皆さんを支えるのが、田中さんが代表の「ギャンブル依存症問題を考える会」なんですね?
ギャンブル依存症の啓発活動やギャンブル依存症の予防教育。家族相談会、当事者に対する介入をおこなう。ほかに、地域連携作り・支援者向けスキルアップ講習・啓発冊子・サイト・アプリ等コンテンツ作成を実施。
Q ギャンブル依存症、昔から問題視されてはいるものの、解決に向かっているのでしょうか?いまの課題とは?
・ギャンブル産業側の受益者負担が明確にされていない。
→ギャンブル依存症対策費という目的税が導入されない。(ギャンブル依存症対策費が国からほんのわずかしか拠出されない。)
・さらに輪をかけて地方自治体に予算がないために、地域連携作り、人材育成がすすんでおらず、支援が行き届いていない。
・自助グループが足りない。受け皿がない。
Q 今後、カジノ建設などを受けてしっかりと考えないといけない時期に差し掛かっていると思います。誰でもなりえてしまう疾患だからこそ)我々が注意すべき点とは?
ギャンブル依存症について、まずは知ること。団体ではギャンブル依存症を周知させるため漫画を作成。
Q もしかして周りの人が、そして自分が当事者かもしれない、と思ったときは?
「もしかしたらギャンブル依存症かも...」と気になったときのセルフチェック、依存症の知識、相談機関など、いつでも手軽に学んだり調べたりできるLINEサービスを開始した。他、相談窓口を開いている。
~団体について、そしてギャンブル依存症と、その支援について、より詳しい情報はWEBサイトをご覧ください。