きのうは「防災の日」でした。このコーナーでも、災害対策についてのアクションをご紹介します。NPO法人 減災教育普及協会、理事長の江夏猛史さんにお越しいただきました。

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Q  減災教育普及協会、どのような活動をされている団体でしょうか?

保育園、幼稚園、小中学校などの先生や企業の防災担当者など、組織の中で責任ある立場の方を中心に災害対策教育を行っています。

Q  防災、ではなく「減災」と団体名にありますが、この違い、ご説明いただけますか?

減災は阪神淡路大震災の教訓として生まれた言葉です。減災は、『被害を減らそう』という目標として使うのではなく、防げないと覚悟する(自分も被害にあうかもしれない)言葉として使っています。

防災には被害を防ぐ(0にする)と言う意味があります。『0にしよう!』と目標として掲げる事は大切なことだと思いますし、相手が小さい災害の場合は0にしなければいけません。しかし、想定通りにはいかない大きな自然災害でも本当に防災できるか...、防災(防げる)という言葉は、ときには油断につながることもある。

Q  実際に、先生方、教育者への指導は、どのようにおこなわれる?

日本の、とくに学校の防災教育では危険のことを詳しく教えてはくれません。また教えている先生方も危険のことをよく知らない現状があります。

一例として、地震の際に多くの人の命を奪うのは、人が作った人工物です。その人工物がどれぐらい硬く、どれぐらい鋭く、どれぐらい重いのか、またどのように崩れるのか。なかなか知りえない方も多いです。(⇒実際に道具を使用して体験!)

Q  情報をアップデートされた先生方の反応はいかがでしょう?

たくさんの先生から、『知らなかった、こんなの聞いたことがない、他の先生にも聞かせたい、よかった、もっと勉強したい』そのような声をいただく。

その一方で『自分たちが理解できたが、子供たちにどうやって教えたら良いのかわからない。』と言う声もあり、課題を解決する必要性を感じている。

Q  私たちが普段の生活の中で心がけることができる「減災アクション」はなんでしょう?

阪神淡路大震災では机やテーブルの下で亡くなった方もたくさんいらっしゃいます。危険は減らすことができても、なくすことができません。ただ、危険の数だけ安全はあります。まずは身の回りの危険をよく探し、何が危険かをよく知れば、何が安全かおのずと見えてきます。

Q  今後起こりうる災害と、どのように向き合うべき?

災害は必ず起こります。正しく恐れて正しく備えることが大切です。J-WAVEの放送が流れる首都圏で、1番リスクが高い自然災害は首都直下地震だと言われています。どれほど確率が高いのか、どれほどの揺れに襲われるのか、何百万人の帰宅困難者が溢れかえるのか、その想定はすでに出ています。まずはこの被害想定を知ってください。そしてその状況を想像してください。想定をよく学び、想定に合わせた最低限の準備が必要です。

~災害対策のヒントが詰まった「減災教育普及協会」のサイトをぜひチェックしてください。

NPO法人 減災教育普及協会

https://gensai.or.jp/