今朝は、ちゃぶ台返し女子アクション、という活動をチェックします。 代表の大澤祥子さんに お越しいただきました。

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Q  実は今年6月に、小島慶子さんをお迎えした際に話題に上がりました、ちゃぶ台返し女子アクション。非常にユニークな団体名ですが、どのようなアクションをされている団体でしょうか?

私たちが目指しているのは、女性をはじめとするあらゆる性の人が、自分を肯定して生きられる社会です。市民が連携して草の根で動くことで、制度や政策、文化を変えていく活動をしています。今は、性暴力や性差別など、具体的な社会の問題に対してアクションを取っています。その中でも特に力を入れているのが、性暴力をなくすために、性的同意を大切にする文化と制度を作ることです。

Q  ことし、「セクシュアルコンセントハンドブック」という冊子を制作された、ということなんですが、どんな冊子なのか、ご説明いただけますか?

大学生メンバーが中心となり、同じ世代に知ってもらいたい知識を詰め込んだ、今年の4月に制作したハンドブックです。クラウドファンディングをして、2万部発行することができました。セクシュアル・コンセントについてはもちろん、性暴力に関する知識、個人の身体的・心理的な領域や尊重するコミュニケーションのあり方、また周りが性暴力を見かけたら何ができるかについても載せています。いまは、大学生メンバーが中心となり、教職員の協力を得ながら、自分たちの大学で配布をしています

Q  そもそも、「セクシュアル・コンセント」とは?

全ての性的な行為において必要な、積極的な参加の意思表示になります。そのためには、いつでもNOと言える環境であることや、対等な関係であることなどが大切です。また重要なのは、アクションを起こす側が、相手の同意があるかをきちんと確認して、意思を尊重する責任がある、ということです。

Q  性被害の現状とは?

内閣府の調査によると、無理やり性交等をされた経験のある人は4.9%と言われています。でも、実際に誰かに相談したのは4割未満、警察に行ったのは3.7%。明るみに出にくいです。大学生と一緒に活動する機会が多いのですが、大学で知り合いや先輩からのセクハラや、恋人からの性暴力の事例も聞きます。例えばセクハラやSNSを使った性的いやがらせなども、からかいとして片付けられて、性暴力であると認知されていないことも多いです。

Q  また「二次被害」も深刻な問題だそうですが、ご解説いただけますか?

性暴力被害者が受ける二次的な被害です。例えば被害に遭って誰かに相談した時に、「なんではっきり断らなかったの」と被害にあった責任を被害者に押し付けたり、「向こうはきっと悪気なかったよ」と被害を信じてもらえなかったり矮小化したりすることが、これに該当します。これらの言葉や態度は、被害者をさらに傷つけ、孤立させてしまいます。

Q  性暴力の被害者に、そして加害者にならないために気をつけなければいけないこととは?

まずは、性的同意、ということをしっかりと理解することです。何がイエスで、何がノーか。周りを見渡すと、社会のあらゆるところに、不平等な社会規範や性観念が多くあります。それに流されるのではなく、お互いを尊重しながら、対等な関係性を築いてしっかりとコミュニケーションを取っていくことです。

Q  最後に、団体を通して発信していきたい想いを教えてください

全ての人が安心安全に生きやすい社会に向けて、同意が当たり前である文化を作りたいです。同意も性暴力も、性別年齢関係なく、全ての人に関わる問題です。そのような社会を一緒に作っていく仲間を常に募集していますので、ぜひ団体のホームページをみてください。

一般社団法人ちゃぶ台返し女子アクション

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