今日は、現在開催中、UNHCR難民映画祭2018から鈴木夕子さんにお越しいただきました。

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Q  難民映画祭、どのような祭典なんでしょうか

国連機関として世界の難民の保護と支援を担う国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の駐日事務所と、UNHCRの日本における公式支援窓口である国連UNHCR協会が主催する、日本で唯一「難民」をテーマにした映画祭です。映画作品を通して、世界で今まさに起きている難民問題について理解と関心を深めていただくために、2006年より毎年開催しています。難民のことを身近に感じてもらい、難民問題の背景についても知っていただくために、日本在住の難民の方や、難民問題に取り組む方々などを招いて上映後のトークイベントなども開催しています。今年は東京、札幌、名古屋の3都市で上映を行っています。

Q  今回で13回目の開催。今年のテーマは、「観る、という支援。」 テーマに込めた思いとは?

難民をテーマにした映画祭と聞くと、ハードルが高く、気軽に参加しにくいイメージがあるかと思います。しかし上映する作品は、難民問題について普段関心のない方も引き付ける、映像として力のある作品ばかりです。まずは映画に興味を持っていただき、映画を観ることが支援の第一歩というメッセージをこめて、このテーマに。

Q  今年上映されているのはどのような作品なんでしょう?

今年の作品のラインナップは6 作品ですが、そのうち 4 作品が日本初上映、2 作品は過去の難民映画祭で上映され、好評だった作品のアンコール上映です。

今年一推しの作品は『ソフラ ~夢をキッチンカーにのせて~』という作品で、得意な料理で自立するためにケータリングビジネスを起業するパレスチナ難民の女性に密着したドキュメンタリーです。こちらの作品は明るく、希望に満ちた作品なので、初めの一歩としてとても観やすいと思います。作品をご覧になった方からは、「夢と希望が詰まった映画」、「ポジティブな気持ちになった」などの感想がありました。

特に反響のよかったもう1作は、『アイ・アム・ロヒンギャ』という作品です。昨年の8月にミャンマーで衝突が起き、70万人を超えるロヒンギャが一気に隣国バングラデシュに逃れたことがニュースでも大きく報じられました。この作品は、カナダに移住したロヒンギャの若者たちが、自分たちの身に起きたことを、演劇を通じて表現し、トラウマを克服していく姿を追ったドキュメンタリーです。

Q  東京での主な上映は、今日(20日)の時点でほぼ終了しているんですが、難民映画祭上映作品の「上映会」を、学校や企業・団体に呼びかけているんですよね?

東京上映は残すところ9月29日(土)に、お台場で開催されるグローバルフェスタJAPAN2018での上映会1回のみですが、札幌と名古屋はこれから開催します。映画祭そのものは3都市での上映となりますが、今年は日本全国で、より多くの方々に観ていただくため、映画祭パートナーズという枠組みを設けました。学校や企業・団体による映画祭作品の上映会を呼びかけています。多くの学校や企業・団体に自主上映会を開催いただき、難民支援の輪が広がることを期待しています。今年の映画祭パートナーズの上映会は来年7月まで開催可能です。本映画祭の取り組みに賛同してくださる映画祭パートナーズを現在募集しています。

Q  この映画祭を通して、どんな気づきを与えたいですか?

難民はどこか遠くの場所にいる人々ではなく、共に生き、支え合う仲間であるということを、この映画祭を通じて感じていただきたいと思います。そして、いま、自分にできることは何かということを考えるきっかけになればとても嬉しいです。

~UNHCR難民映画祭2018に関して、詳しくはWEBサイトをご覧ください。

http://unhcr.refugeefilm.org/2018/