「男女の賃金差の開示義務化」(日本経済新聞)

政府は上場・非上場を問わず、男女の賃金差の公表を義務付ける方針を固めました。早ければ年内の施行をめざし、男女の対等な評価を通じて人材の多様性を高め、企業の成長につなげるのが目的です。

2020年時点で男性の賃金を100としたときに、女性の賃金はOECD(経済協力開発機構)の平均で88.4、日本は77.5と平均を下回っています。

具体的には女性活躍推進法に関する省令を改正する方向で、対象となるのは「常時雇用する労働者が301人以上の事業主」。女性役員の比率や、男女の平均継続勤務年数の長さの違いなどの公開を求めています。

各企業はそれぞれ、賃金の額ではなく、男性の賃金水準に対する、女性の比率をホームページなどで開示することに。賃金差に合理的な理由がある場合は、説明を記載します。正規・非正規雇用で分けた数値の開示も同時に行い、非上場では1万社以上が対象になるとみられています。

そもそも同じ条件で働いた場合に男女で賃金に差をつけることは、労働基準法で禁じられていますが、企業全体で見た男女間の賃金格差は今も残り、管理職への女性登用が少ないケースや、結婚や出産で一時的に仕事を離れた女性が復帰するときの処遇が低いといったケースが想定されています。