香港で大規模デモ

中国への犯罪容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正に抗議して9日の日曜日に市内中心部において主催者発表で100万人という大規模なデモがありました。さらに一昨日の12日水曜日には改正案の審議を予定していた立法会(議会)周辺で警官隊とデモ隊が衝突、けが人も出ました。反対派と香港政府との対立は深まっています。

今朝はJK Radio Tokyo Unitedの通信員で香港在住の富柏村さんに、現地の様子について、お電話をつないで伺いました。

Q 今回の条例改正についての反発にはどういった背景があるのですか

A 去年台湾での殺人事件の犯人が香港に入国したにもかかわらず逮捕できないという事態が起きたことで、犯人を逮捕して引渡せるようにするのが改正の趣旨。しかし表向きの理由だけではなく、なしくずしに中国支配による思想犯などの逮捕がすすむことへの危機感が香港の住民には根強くある。

Q 現在の街の様子について教えてください

A 5年前に民主的な選挙をめぐって大規模なデモがあった「雨傘運動」では75日間道路占拠が続いた。しかし9日と12日こそ占拠があったものの、審議を行わないと明言された昨日と今日は、うって変わって静かな様子。

Q 今後の見通しについては地元ではどのように報道されていますか。

A 親中派が議会の多数を占めていて、反対勢力を排除するなどしてきたことで、デモがあっても方針は変えないし、採決をすれば改正されることは明白。香港政府は高度な自治を持っているとはいえ、中国政府との力関係などを考えると決してうのみにはできない香港市民は、審議をすると言ったなら再び大規模なデモが行われることになると考えられる。