今週はITジャーナリストの三上洋さんに、去年の春頃からスタートした5Gについて解説していただきます。

J.K: 携帯会社のプランなどでは見るのですが、新型コロナのせいもあるのか、実際に5Gを使っているという話をあまり聞かないような気がします。

三上: モバイル通信調査会社によると日本を含むアジア太平洋地域では、日本のスコアはいずれも低く、特に利用可能な地域のスコア(10点満点)で日本は1.0。なんと最下位となりました。

J.K: 昨年春に5Gサービス開始したもののどうして出遅れたのですか?

三上: キャリア各社による5G商用サービス開始が他国と比べ遅かったことや5Gは元々4Gに比べて周波数が高い関係で数倍以上の基地局が必要で国土の狭い他のアジア諸国に比べ整備途上にあるのが原因です。

J.K: 要するに繋がらない場所が多く、よさが浸透しないという事でしょうか?

三上: 日本の4GLTEはとても優秀で高速通信ができているので、ユーザーも「すぐに5Gがほしい」「5Gだから速くなった」という実感を感じにくいのです。日本の5Gネットワークは、5G専用のスタンドアローン(SA)型よりも、既存の4G設備を活用したノンスタンドアローン(NSA)型が中心。切り替えやカバー範囲などの調整が難しく、一部で「パケづまり」と呼ばれる5Gで接続しにくい状況もうまれました。

J.K:今後の見通しはいかがでしょうか。

三上:こうした状況は徐々に改善されているので、今後5Gの普及は急速に進み、5G通信対応スマートフォンの出荷台数が4G通信対応スマートフォンの出荷台数を超えるのは時間の問題です。5Gスマホにほぼ入れ替わると思われる来年の2022年が本格普及とみていいと考えます。