藤代:今朝は世界経済で超重要なポジションとしての「台湾」に注目します。

J.K. 今台湾に注目、なぜでしょう

藤代: 一般に台湾でイメージするのは旅行だと思いますが、経済の視点では、小さな存在でありながら、実は世界経済にとても大きなインパクトを与える注目の的なんです。

J.K. :どんな点が注目されているのですか?

藤代:半導体不足です。在宅勤務によってノートパソコンの需要が増加したこと、5G(次世代通信規格)の本格的な普及によって、通信機器や設備に使う半導体需要が爆発的に増えたことがあります。加えて、アメリカが中国の半導体メーカーと取引を一部取りやめたことも原因です。そうした状況で台湾に半導体の注文が殺到しました。というのも、台湾には世界最先端かつ最大級の半導体工場を有する企業があるからです。フル稼働で生産を続けているのですが、それでも足らないというのが現状です。

J.K. 半導体が不足すると、先端技術の普及も心配ということですね?

藤代: パソコンはもちろん自動車、家電などほぼ全ての工業製品に半導体が使われているので、それが一つでもかけると製品の出荷はストップします。既に自動車の生産は一部ストップしています。しかしこれは日本にはチャンスでもあります。日本には半導体を作るための機械、部材を扱う企業がたくさんあるので、輸出が好調です。日本全体の輸出は既にコロナ前の水準に戻っていますが、台湾向けの半導体関連輸出が貢献しています。台湾は日本にも世界にも超重要ということです。消費者が「made in Taiwan」という文字を見ることはまずありませんが、スマホなどの大半のハイテク製品は何らかの形で関わっていると言っても過言ではありません。