藤代: 来年の日経平均株価予想です

J.K. 今年は景気が悪いのに株価が上がる、という難しい1年でした。

藤代: 2021年は24000円から29000円の間で推移すると予想しています。年末の着地は26000円から27000円くらいと見込んでいます。昨日の終値が26600円ぐらいですから、現在と同じくらいの水準感です。来年は、世界的に景気回復が期待されるとはいえ、現在の株価は、そうした期待を前のめりで反映しているようにみえるので、一段の上昇は期待しにくい状況にあると判断しています。

J.K. 景気が回復しても株価はさほど上がらない、どうしてですか?

藤代: コロナ禍での株価は「実体経済・企業収益」と、「経済対策の規模力強さ」この合計値で決まると考えています。2020年に起きたことは、実体経済のダメージ以上に、大胆な経済政策が打たれたため、それによって株価は上昇しました。特にアメリカはその傾向が顕著でした。反対に2021年は世界的に実体経済が持ち直す一方で経済対策が2020年より小粒になる、両者の合計値は変わらない、株価が大きく上昇することはないとみます。

J.K. では、逆に2021年も実体経済が回復しなくても、株価は高値を維持?

藤代: はい。実際、11、12月にコロナ感染状況が世界的に悪化する中、株価は上昇してきました。理解に苦しむ動きですがコロナ感染状況が悪化すると、経済対策の規模が大きくなると予想する投資家がいるからです。逆に来年予想される株価下落リスクは「予想以上のペースで景気回復が進む」ということです。その場合、政策当局は、これ以上の景気対策は不要と考えて、一気に経済政策を正常化させようとする動きが出てくる可能性があります。そうなると株価は下落してしまいそうです。今年は株価予想の難しさを思い知らされる1年でしたが、来年もひねくれた展開になりそうです。