藤代: アメリカ大統領選「以外」のトピックで、欧州と中国と近況について。

J.K. 気になる経済状況はアメリカだけではありませんよね。

藤代: まず心配なのはヨーロッパです。コロナの感染者数が増加して、最近はお亡くなりになる方も目に見えて増えています。現状で厳格な移動制限を計画する動きはありませんが、最近イギリス、フランス等で飲食店の営業を制限する動きが出てきました。一方で株価は堅調で、今までの経済活動の再開を評価しているのだと思います。今日発表される企業の景況感調査、この数値が悪化すると楽観的な見方は修正を迫られる可能性があります。

J.K. では、中国の状況はどうですか?

藤代: かなり改善しています。経済指標は押し並べて堅調で、特に注目なのは銅の輸入量。あらゆる工業製品の材料として輸入されています。この数ヵ月の輸入量は前年比+60%と過去にない驚異的な伸びが続いていますから、中国の生産活動が一段と力強さを増す可能性が高いです。この場合日本からの輸出も増加しますから、とても良いシグナルです。

J.K. 大統領選以外の動きも重要ということですね。

藤代: もちろん大統領選は重要です。ただし、今はコロナ禍という極めて特殊な状況ですから、どちらが大統領になっても経済政策は大きな差がない、というのが基本です。

コロナが落ち着かない限り、大胆な景気対策が続くということに変わりはないと思います。仮にバイデンさんが大統領になったとしても、バイデンさんが掲げる増税を伴う所得再分配、すなわち格差是正、それから大企業に対する規制強化といった、痛みを伴う政策は、すぐに実行されないと思います。経済を考える上では、頭の中が大統領選一色にならないように注意したいところです。