藤代: 大統領選の行方、金融市場がどうみているのか?解説します。

J.K.: 大統領選を前にして経済対策で揉めているようですね。

藤代: 本来7月末までに決まるはずだった経済対策が、6日に交渉が打ち切られました。バイデンさんの民主党が2.2兆ドルの規模の予算を要求していたのですが、トランプさんの共和党は、それは大きすぎるとして拒否。株価は一時急落しました。ただ、金融市場参加者は数週間前の時点で、協議が大統領選前にまとまる可能性は極めて低いと予想していたので、さほど大きな混乱にはなっていません。

J.K. 景気対策がなくて大丈夫ですか?

藤代: もちろんあった方が良いのです。意外と大丈夫というのが現状です。経済の回復ペースはスローダウンしていますが、総じてみれば順調です。だからこそ、景気対策が政治の道具にように使われている印象です。景気対策がまとまらないことの責任を押し付け合って、互いに支持率低下を狙う作戦をやっている、こんな感じです。これまでの経済の回復ペースが予想外に早かったので、よくも悪くも余裕が生まれてしまった感じです。

J.K. バイデンさんの優勢を伝える情報が増えている印象ですがどうでしょう。

藤代: 今週5日頃から、金融市場ではバイデン大統領の誕生および、上下両院を民主党が制するとの見方が強まっている、そんな動きがみられています。それはアメリカ国債の金利、特に満期の長い30年国債の金利が上昇しています。これは民主党が勝利し、大規模経済対策が打たれる、その結果、国債の発行が増加する、こうした展開を予想した動きにみえます。まだ1ヶ月あるので流動的ですが、金融市場参加者は、徐々にバイデンさん勝利の方向に賭けているようです。ただ、予想通りにいかないのは、4年前に経験済みなので、今回も幅をもって見ておく姿勢が重要です。