藤代: 日常生活やライフプランに活かせる金融の考え方について

J.K.: どういった考え方ですか?

藤代: まずは身近なところでは、ガソリン等、原油高の悪影響を防ぐ方法。シンプルに原油に連動するETFと呼ばれる金融商品がありますから、これに投資すればOKです。或いは石油企業の株でも良いと思います。原油が上がって、生活が圧迫されても、手持ちの金融商品の価値が増えますから、収支をコントロールできます。

J.K.: 簡単にできそうですね。ほかにも応用できますか?

藤代: 不動産でも考え方は同じです。例えば今、東京の住宅はかなり上がっています。「早く買った方が良いかも?」と思ってはいるものの、ライフプランとの兼ね合いで購入に踏み切れない、といった状況があるとします。その際は不動産市況に連動するREITという不動産の保有・売買から収益を得られる金融商品があります。これを持っていれば、不動産価格が上がっても、手が届かなくなってしまう事態を回避する一助になります。

J.K.: 他にも応用できることがありそうですね。

藤代: 格差の拡大によって労働者が被る不利を和らげることができます。今の先進国に共通しているのは、実体経済の回復が不十分なのに、株価は上がる、という構図です。これは大企業の経営者と株主が豊かになる反面、労働者の賃金はなかなか上がらない、という状況を意味します。つまり格差拡大。であれば、上場企業の株式を保有・投資することで、悪影響を和らげられます。投資信託であれば100円からできます。もちろん特効薬ではありませんが、長期的にみて賃金の上昇率が株価の上昇率を下回る状況は続きそうですから、選択肢の一つだと思います。