藤代: コロナ後は物価が上がってしまうのでは?という懸念についてです。

J.K.: 収入が増える見通しが立ちにくいのに、物価が上がるのは厳しいですね。

藤代: 結論から言うと経済全体で考えた場合、物価が下がる可能性が高いです。これは専門家の共通認識で私もそう考えています。基本的に物価は景気が強い時に賃金の上昇を伴って上がりますが、今はその逆のことが起きています。世界的に経済成長率がマイナスになり、国際市況では原油価格が下落、国内でも消費の鈍さを反映して、物価は下落しています。

J.K.: その中で上がりそうなもの、はありますか?

藤代: ちょっとした話題になったのは音楽ライブやイベントなどのチケットです。3蜜をさけるため、観客動員数を制限した結果、主催側としては単価を引き上げざるを得なかったと思います。ただ一部の熱狂的ファンの方のみで成立する局所的現象だと、これが広がりを持つ可能性は低いと思います。(ここでいうのは声優さんのイベントが倍の値段で販売というニュースです)配信イベントなどもある場合、金額に選択肢が増えているのも事実です。一方飲食店等での感染対策でパーティションの設置や清掃等のコストは、上乗せされるかもしれません。そして、これもよほど強い需要、人気があるお店を除くと値上げに踏み切れないと思います。競合との価格競争もありそもそも給料が上がらない中では、外食すらしなくなる可能性もあります。

J.K.: 消費者としてはなかなかに、悩ましい問題ですね。

藤代:物価が上がるという心配もあると思いますが、安心していただきたいのは、日本のように経済力がしっかりしていて通貨価値が安定している国では、景気が悪くて賃金が上がらないのに、物価だけが上がり続けることは基本的にありません。過去もそうでしたし、今後も理論的に考えて、起こる可能性は低いです。報道も含め、値上がりしてしまったモノに人々の視線が向かいがちですが、データをみる限り、物価に対する心配はいりません。