藤代: 今週起きた経済ニュースをまとめて考えたいと思います

J.K.: 株価は下落率10%ですが、ピークからおよそ8000ドルも下げましたね。

藤代: ベースにあるのは、新型コロナウィルスの感染がイタリア中心にヨーロッパ、それからアメリカで拡大していますが、ここへ来て突然起きたのは原油価格の暴落です。理由はサウジアラビアが原油の生産量を大幅に引き上げると宣言したことです。原油は国同士で生産量を予め協議して、原油価格を安定させるのですが、それが物別れに終わってしまいました。そこで苦しいのは、アメリカのシェールオイル企業です。サウジほど採算が良くないので体力勝負では分が悪いです。倒産した場合に、銀行・投資家も共倒れになってしまうのでは?という懸念が生じました。

J.K.: 世界的な株価下落で、気になるのは日本の政策当局の対応ですね、

藤代: 政府は少しずつ政策を打ち出していますが、かなり小粒で景気全体には、ほとんど効かなそうです。他方、日銀は株式の購入を年間6兆円から一気に10兆円まで増やす可能性があります。それなりに効果があると思います。

J.K.: 何か明るい話題はありませんか?

藤代: 中国の新型コロナウイルスの新規の感染者が大幅に減っていること。あまり注目はされていませんが、12日時点で新規感染者はわずか15名でした。2月前半では3000名でしたから、劇的な改善です。経済活動もはっきりと回復しています。オフィシャルな統計はまだ発表されていないのですが、ここ数日は石炭の消費量が増えていて、これは発電量が回復、工場の稼働を意味していると思われます。また交通量も持ち直し、不動産の売買件数も日を追うごとに回復しています。いつの間にか正常化が近づいています。