藤代: 年始ということで資産形成の観点から株価予想についてです

J.K.: まずは株価は今年どうなるのでしょうか。

藤代: 2019年末の日経平均はおよそ24000円で終わりました。今年は企業業績の増益が見込まれていますので、株価は年間で10%程度の上昇が期待されます。ただし2019年秋に比較的強めの上昇を経験しているので、一本調子に上がっていくとは限りません。夏にはオリンピックパラリンピックが終了し、秋に大統領選などイベントが盛りだくさんですから、大幅に上下する可能性はあります。昨年後半の株価水準をベースに考えると、日経平均の中心的見通しは2.4~2.5万円。そこから上下に2000円程度の変動を想定しておけばよいと思います。

J.K.: やはり上下する可能性はあるんですね。

藤代: 個人的な意見ですが、個人の資産形成という観点では1年単位、しかも年末の株価を予想することにさほど意味はないと思います。この時期になると恒例で「今年の株価は?」という話題になりますが、資産形成はギャンブルではないので、1年という短いスパンで株価を予想するのは、馴染まないと思います。

J.K.: 株の投資については長期的にということですね。

藤代: ここで少し視点を変えて株価を見ていきます。普段私達は株で儲けた損したという話をするとき、もっぱら株価の上下に着目していますが、それだと配当金を無視してしまうことになるので、資産形成の上では、やめた方が良いです。現在、日本株の平均的な配当、投資元本に対しておよそ2%受け取れます。10年で20%。仮に株価が1円も上がらなくても配当が安定していれば、稼ぐことができます。ちなみに、バブルのピーク1989年に日経平均株価に連動する投資信託を買って、大損したという人がいたとすると、その人の損益、リターンは、今年中にプラスになる可能性があります。株価は当時から40%くらい低いですが、その間に受け取った配当が、それを埋めるからです。資産形成は、配当を含めて長期で考えるのが良いと思います。