藤代:今年のマーケット最終日である大納会を来週月曜日に控えて、いちはやく2020年の仰天予想をお示しします

J.K.: 仰天予想とは、どういうものでしょうか

藤代:1%以下の確率ですが、日銀がデジタル通貨を発行するかもしれません。既にキャッシュレス化の流れがありますが、これが一段と加速して従来型の現金を廃止するイメージです。この1年でスマホ決済が急速に進み、買い物で現金の登場回数が減ったという人も多いと思います。その最終進化形は、現金が紙や金属からデジタルに変わるという世界です。

J.K.: なんとなくそんな世界も想像できますが、何年もかかりそうな気がします。

藤代: 実のところキャッシュレスで先行するスウェーデンは2020年に「eクローナ」というデジタル通貨を試験的に導入予定です。クローナはスウェーデンの通貨。また、中国もデジタル人民元の発行に向けて、ここへきて研究を急いでいる模様ですし、ヨーロッパ中央銀行ECBも研究を開始しています。現金を好む日本社会に比べると、随分先を行っている印象です。

J.K.: まだ流通していないもののフェイスブック主体のリブラなどの動きもありますよね?

藤代: 実はそれも円のデジタル化と関係しています。もし彼らの思惑通りになれば、こういったものが世界共通の通貨になります。そして、それが爆発的に普及すると、良くも悪くも、「円」の存在価値が脅かされる可能性がゼロではありません。何らかの要因で人々が、日本でしか使えない円に見切りをつけ、世界共通のデジタル通貨に交換するという動きが加速すると、今までに経験したことのないトラブルが起こるかもしれません。つまり、リブラを含め、デジタル通貨が広がる前に、せめて基盤だけでも整備しておく必要があるということです。「デジ円」の登場は2020年では1%未満の仰天予想ですが、5年程度でみると十分に可能性があると思います。