藤代: 来年の経済に重要な3つのポイント

J.K.: 1つ目は?

藤代:アメリカ大統領選。選挙は11月ですが、年明けから話題になりそうです。現在の一般的な予想は、トランプさんが勝利してもう4年続投の可能性高いとみられています。色々と言われていますが、支持率は安定していますし、経済は失業率が50年ぶり低水準と好調です。一方、対戦相手の民主党は、有力な候補者を決め切れておらず、決定力にかけている印象です。もしトランプさんが負けると中国との貿易戦争が終わるとの期待があるようですが、民主党も中国に対しては強硬姿勢で挑むと思うので、貿易戦争が終わるとは考えにくいです。

J.K.: 2つ目は?

藤代:5G次世代通信規格。来年スタートで完全に整備されれば、高速の通信が可能になります。景気面では5G対応のスマホはもちろん、電波を通すための通信設備に巨額の資金が投じられるため、そのこと自体が景気にプラスです。長い目で見れば、自動運転やAIの普及に不可欠ですからビジネス目線ではとても重要です。「映画のダウンロードが一瞬でできる」というスマホユーザー目線がもっぱら注目されていますが、本質はそこではなく、第2のIT革命の起爆剤として認識しておきたいところです。

J.K.: 3つめは?

藤代:東京オリンピック・パラリンピック。2013年に開催が決定して6年経ってますが、根強い期待があります。水を差すつもりはありませんが、オリンピックの直接的な景気押し上げ効果は既に下り坂になっています。新国立競技場が完成している、ということからも明らかですが、オリンピックの景気刺激効果が一番強く出る建設関連の需要は、通常、開催の2年前、つまり2018年がピークだったと思われます。なぜこの話をするかというと「オリンピックが終わったら景気悪くなる」と考えている人がとても多く、そういった心理的不安が実際の景気を悪くさせてしまうからです。現在、オリンピックの景気押し上げ効果を肌で感じていないなら、終了後の五輪ロスもないはずなので、冷静に。