藤代: 今朝はいよいよ導入された消費増税10%についてお話します。

J.K.: 先行きの消費、景気どうなるか?気になりますね、

藤代:先行きの予想に重要なのは、駆け込み需要がどれだけあったのかを把握したうえ、その反動をならして考えることです。ただ9月末までの包括的なデータは10月の下旬以降にならないと手に入りません。そこで最も速報性に優れている百貨店販売額と自動車販売統計をみると、意外なことに9月はかなり伸びました。

今回の消費増税は駆け込み需要が小さいと色々なところで指摘されていたのに、少なくとも百貨店と自動車では大規模な駆け込みがあり、正直かなり意外です。

J.K.:駆け込みが起きないほど景気が悪いという見方もありましたよね?

藤代:今回は食品に軽減税率も適用され、増税幅が2%ですから駆け込み需要が少ないのはある意味当然です。それと2014年は97年以来の増税だったので、ある種の国民行事的になって企業も個人も積極的に駆け込んだ印象ですが、今回は5年半ぶりですから盛り上がりに欠け、企業側も駆け込み需要に対して積極的に取り込まなかった印象です。特に小売業では需要の変動に合わせて人件費やコストをコントロールすることはできないので、駆け込みとその反動は好ましくありません。前回の反省を活かした企業も多かったと思います。

J.K.: 駆け込みが小さくなかった可能性もあるようですが、先行きはどうでしょう?

藤代: 今回はキャッシュレス決済のポイント還元があるので先行き安心という声もありますが、そもそも情報が国民に浸透しているかというとそれが疑問で、政策効果が出ない可能性があります。

個人的な経験ですが、9月30日に食品を扱うスーパーで、軽減税率の対象食品がいくつか売り切れていたのをみて、情報が浸透していないと不安になりました。

また低所得者向けにプレミアム商品券の販売もありますが、こちらはもっと情報がいきわたっておらず、活用が進むか疑問な部分があります。

以上整理すると、駆け込み需要は想定より大きかった可能性があるので、反動が大きくなる。ポイント還元等の措置が効果を発揮しない。現時点で言えることはこの2つの可能性くらいです。新たな情報がでた都度、お話します。