藤代: 最近の悪天候が経済に及ぼす影響についてです。

J.K.: 日照時間が記録的に短いですね。

藤代: 結論を先取りすると、悪天候は短期的に間違いなくマイナスの影響を与えます。日照時間が短い、雨が多いと外出が控えられ、消費が停滞するという、シンプルな理由です。個人消費は、日本経済GDPの6割を占めますから、そこが崩れると、たとえ輸出や設備投資という企業の活動が好調だったとしても、全体としてみれば経済活動は停滞します。また建設関連で工事がストップするので悪影響が出ます。これは数字をみても明確で、実際、日照時間と経済成長率には密接な連動性があります。

J.K.: となると7月の日本経済は心配ですね。

藤代: 東京に限らず全国的に晴れ間が少なかったので、7月のデータについては相当悪い数値が出てくるのを覚悟しておいた方が良さそうです。個人消費はもちろん、余分な在庫を抱えた企業の生産にも、マイナスの強い圧力がかかりますから、幅広いデータが悪化すると思われます。

J.K.: 思わぬ逆風ですね。このまま景気が悪くならないか心配ですね。

藤代: ただし悪天候を理由とする景気の停滞が長引くことはありません。基本的には一時的現象で、その後は反動によって経済成長率は挽回します。アメリカでもハリケーン、寒波といった悪天候によって景気が落ち込んだ後にリバウンド現象があります。天気が悪かったとしても、大半の人は給料が大きく下がる訳ではないので、悪天候が解消した後に消費が回復するためです。雨で延期された建設工事も復活します。悪天候で景気にダメージ、という報道も見かけますが、半年や1年という時間軸でみれば、心配は要らないと思います。