藤代: 今朝は資産形成にあたって参考になる考え方をご紹介します。

J.K.: 老後資金2000万円問題以来、あらゆる世代で切実な問題ですよね。

藤代: この問題に直面して色々考えはじめたものの、どうしたらよいかわからないという方も多いと思います。そこで参考になるのは私達の年金の一部を運用しているGPIFの投資方法です。

年金の一部を運用しているファンドですから、極端なリスクをとらずに手堅く運用するのが特徴で、投資の教科書的存在です。

J.K.: GPIFの運用については、賛否両論ありますが、そもそも上手くいってるのですか?

藤代: 直近のおよそ20年、彼らの運用成績は平均すると、1年あたり+2.7%(もうけ)です。3%にも届かないと思うかもしれませんが、この間の物価・賃金上昇率が0%台前半であることを踏まえると、合格点といってよいと思います。

そこで公表資料で運用の中身をみて、似たような資産構成にすれば、似たような成績が残せるというわけです。

J.K.: どういったものに投資しているんですか?

藤代: 基本は日本国債35%、日本株25%、外国株25%、海外国債15%です。幾分変動はありますが、この配分の良いところは変動率の低さです。

最も増えた時で12%のプラス、減った時でマイナス7.6%です。2014年10月以降は株式と外貨建て資産の割合を増やしているので、過去に比べて変動が大きくなるかもしれませんが、それでも20%や30%といった大幅な変動は考えにくいので、どっしり構えることができます。

遠い将来を見据えての長期投資は、変動率を低く抑えることが重要ですから、GPIFの資産配分は参考になると思います。