藤代 週明け41日に発表される日銀短観について

J.K. とても有名な経済指標ですね。どんな指標ですか?

藤代 日銀短観とは、足もとの景気を企業がどう感じているか回答した指標で、3ヶ月に1回発表されます。景気の波を捉える上で非常に優れた指標ですから「これだけ見ておけば大丈夫!」と言っても良いくらいです。指標の読み方は簡単。数値がプラスなら「景気が良い」と答えている企業が多いことになるので、プラス・マイナスを判定した上で、数字の大きさと方向感を見るだけでOKです。

J.K. 最近は景気拡大が終わったというニュースや株価の大幅下落など、少し不安な話題がありますが、今回の結果はどうなりそうですか?

藤代 当社の予想は前回から6pt悪化して+13です。プラス圏にあるとは言え、3ヶ月前から6ptも悪化するのは風向きが悪くなっていると判断せざるを得ません。この数値が悪化するということは、企業業績が自社の計画を下回っている場合が多いので、悪い決算が出てくるサインでもあります。

J.K. ということは数値が悪いと再び株価が下落するかもしれないのですか?

藤代 予想以上に悪化すれば、追い打ちをかけるように株価が下落する可能性があります。その場合怖いのは、経済全体で不安が不安を呼ぶことです。日銀短観は非常に有名な経済指標なので、数値悪化がニュースになると、そのこと自体が人々に景気の悪化を意識させてしまいます。企業が設備投資を控えたり、個人が消費を減らし、貯蓄をするようになります。ちなみに私の分析では、株式のアナリストが日銀短観を見た後に株価予想を変更するという結果が出ています。すると株価予想の引き下げを見た投資家が株を売る。そして株価下落が様々な悪影響を与えるということになりかねないので要注意です。