藤代: シリコンサイクルという言葉で、最近の景気を解説します。

J.K.: 最近は、景気の波がよくないようですが、シリコンサイクルとは?

藤代: 最近の景気は減速しているのですが、背景にあるのはシリコンサイクルという波です。シリコンとは半導体の材料で、半導体の愛称のようなもの。半導体はスマホ、PCに使われるのが代表的ですが、最近自動車、家電、工場のロボット、データセンターなど色々使われています。この半導体の生産量は波のようなサイクルを描き、シリコンサイクルと呼ばれています。

J.K.: それでは、今このサイクルが下を向いているということなんですか?

藤代: そうです。このサイクルは不思議なくらい綺麗な4年サイクルになっていて、拡大2年、縮小2年が繰り返されています。現在は2017年後半頃を天井とする下り坂の局面で、半導体の生産が冷え込む中で在庫が積みあがっています。ゆえに半導体関連の生産が増えず、世界的に景気の波が下向きになっているということです。ちなみに、この2年プラス2年の4年サイクルはハイテク分野での新製品、新技術が2年に一回くらいのペースで発売されることが原因とされています。

J.K.: では、2017年後半から2年が経つ2019年後半には良くなるということ?

藤代: そのように期待しています。当然の疑問として「新技術はなんだ?」となるわけですが、それは通信技術の最新規格の5Gです。現在の4Gの進化版で、今よりも大量の高速データ通信が可能になります。5Gが普及する過程では、対応したスマホ、PCなどの新製品が開発・生産されますから、世界的に生産活動が盛んになり、必然的に景気が良くなると考えられます。直近では半導体関連の生産が日本を含めた世界の景気の足を引っ張っていたとしても、今年の終わり頃には上向きに転じるということがそのサイクルからは期待されます。