藤代: 昨日発表のGDPを踏まえて最近の日本経済を少し意外な切り口で解説.

J.K.: 国内総生産GDPが発表されたようですが、どんな結果ですか?

藤代: まずGDP統計は10-12月期に前期比年率+1.4%成長でした。自然災害の影響が色濃く出た7-9月期の▲2.6%からリバウンドしました。GDPを細かくみると、輸出がやや物足りない印象ですが、GDPの6割を占める個人消費はまずまずの伸びだったので、この点は安心です。

J.K.: 個人消費がまずまず、ということですが、その要因は?

藤代: まずは失業率の低下です。賃金が増えにくいと言われる中でも、人手不足を背景に企業は採用を積極化していますので、就業者数が増え続けいて、その結果消費のパイが拡大しています。それ以外に重要なのは生鮮食品、特に変動の大きい野菜の値段が安定していること。野菜が景気を動かしているというと違和感があるかもしれませんが、無視できないほど重要です。

J.K.: 消費がGDPのおよそ6割を占めると考えると、毎日のように食べる野菜は重要かもしれませんね。

藤代: 数字を整理すると、食料(外食を含んだベース)は消費全体の約1/4で、25%弱を占めます。これは住居(家賃、住宅ローン等)の20%より多く、最大の支出項目ですから、野菜が高くなると影響が大きくなります。実際、天候不順で9月は生鮮野菜が一年前から20%も上昇しましたから、他の消費が打撃を受けました。野菜は毎日のように買うものですから、値段が高いと人々の購買意欲にダメージを受け、悪影響が与えます。幸い秋口以降、足もとに至るまで野菜の値段は安定していますから、GDPの6割を占める個人消費に追い風となっています。今後の予想は難しいのですが、今のような野菜価格の安定が続くことを祈るばかりです。