藤代:おはようございます。今朝は、この数日の世界的な株価下落についてです。

J.K.:アメリカも日本も株価大きく下げました。何が起きたのでしょうか?

藤代: 実はこれといった特定の原因があるわけではありません。米中貿易戦争の影響、あるいはそれに伴う中国経済の減速が一つの原因であることは確かですが、それは以前から続いていたことで、今回の下落の直接的な原因ではないと思います。専門家の間では、アメリカの国債の金利が上昇、それにより株式の魅力が後退したという見方が大方で、私もそう考えます。

J.K.:国債の金利が上がると、なぜ株価の魅力が落ちるのですか?

藤代: アメリカ国債は世界で一番安全な投資先です。アメリカが破綻しない限り元本と利息は返って来ます。今回、株価急落の引き金を引いたのは、アメリカ国債の金利がこれまでの2.8%くらいから、一気に3.2%くらいまで上昇したので、投資家は世界で一番安全なアメリカ国債で3%以上の利回りがもらえるなら、株式よりも、そちらの方が魅力的と考えました。結果、株式を売って債券を買うという動きが広がり、それによってアメリカの株価が下落。日本にもそれが波及してきたという具合です。

J.K.日本経済への影響はどうですか?

藤代: 株式に投資している方はいくらか影響を受けると思いますが、それ以外の方はほとんど影響を受けないと思います。大きく下げたとはいえ、この程度の株価下落によって日本とアメリカの景気が腰折れする可能性はかなり低いと考えます。アメリカの株価は、軽いバブルの状態にありましたので、今回のような下落があっても全く不思議ではありません。今日の日本株は大きく下げて始まると思いますが、アメリカの景気が悪くならないという前提が崩れなければ、株価は戻るでしょうし、失業率の上昇や給料の低下という状況になるには、かなりの距離があります。今回の株価下落だけで日米の景気がただちに悪くなるとは考えにくいです。