藤代:おはようございます。今朝は、日銀の金融政策についてです。

JK: ニュースなどで話題になっていましたが、何があったのでしょうか?

藤代: 結論から言うと、ほとんど何も変わっていません。ただ日銀が金融政策を調整したのが、およそ2年ぶりのことだったので、今回は関心が集ったという印象です。そこで日銀がどういった変更したのか解説したいと思いますが、まずこれまでどんな金融政策をしていたのか説明します。

JK:簡単にお願いします

藤代: 基本路線は超低金利政策です。通常、海外の中央銀行、アメリカのFRB、ヨーロッパのECBなどは、翌日物金利という満期になるのが1日の金利をコントロールして、世の中に出回るおカネの量やスピードを調整します。金利を下げれば、おカネの循環が早くなり、景気にプラスの影響が出るというメカニズムです。その進化版が2016年1月から実施している「マイナス金利」です。ゼロ金利ではもはや不十分なので、マイナスまで、というのが基本的背景です。それでも効果がイマイチだったので、2016年9月からは10年金利も「0%程度」としました。これがここ2年あまりの大まかなストーリーです。

JK:では、今回なにを変えたんですか?

藤代: 一つは「0%程度」にコントロールしている10年金利を、事実上0.2%まで引き上げることです。これはゼロ金利政策の変更ではなく、0.2%までは実質「0%程度」とみなすという決定でした。要するに10年満期の金利が少し動くだけで、数億円レベルの預金や借金をしている人以外の一般国民の生活においては、ほとんど関係ない話です。長期金利が上がったという報道を目にした方も多いと思いますが、住宅ローンや預金金利が動くレベルではありません。日銀が久しぶりに動いたこともあって大きく報道されていましたが、国民生活にとって直接的な影響がある話ではありません。

JK:経済ニュースの見方として参考になりますね。ありがとうございました。