藤代: おはようございます。今朝は先週に引き続き、経済の強さとスポーツの強さには関係があるのでは?という観点からWC優勝国がどこか考えてみたいと思います。

ハリー.:先週はどんな話でしたか?

藤代:サッカーはじめスポーツはその国の経済的なパフォーマンスと関係があるという話をしました。たとえば、出場すらかなわなかったイタリア、予選で苦戦したアルゼンチン。この二つの国は経済がイマイチだったこと。反対に初出場を果たしたパナマは経済が良くて国の勢いを感じます。日本も今回の大健闘は経済が少しずつ良くなっているのと整合的です。

ハリー.:なるほど。では、今、最も経済の勢いがある国はどこですか?

藤代: 勢いという点ではスペインです。6年ほど前は欧州債務問題といって、国が借金を返せなくなるのでは?といった懸念から、国債が売られたり、経済的に相当マズい状況に陥ったのですが、ここ3年くらいは見違えるほど経済が良くなっています。隣国イタリアの経済的不振をよそにスペインの経済成長率は今やドイツより高い状態にあり、国民一人あたりの所得は去年、遂にイタリアを抜きました。

ハリー.:スペインの原動力はなんですか?

藤代: 観光が非常に強い国ですが、ドイツ、フランスの自動車の生産拠点があるほか、自動車部品の優良企業があります。価格の低い製品に特化して、地理的に近いヨーロッパに多く輸出しています。ここがポイントです。今、トランプ政権は米国向けの自動車に関税をかけようとしていますから、今までそこで稼いできたドイツや日本は困っているのですが、スペインが得意とするのは南米向け輸出ですから、トランプ政権の政策にさほど影響を受けません。こうして考えるとスペイン経済の強さはしばらく続きそうですから、その勢いがサッカーの強さに結び付く可能性は十分にあると思います。