藤代:おはようございます。今朝は、今日にも閣議決定される「骨太の方針2018についてポイントを紹介します。

J.K.: 骨太の方針とは、政府が重点的に取り組む政策をまとめたものですよね。何かポイントはありましたか?

藤代: 今回政策の方針転換があったのは、外国人労働者の受け入れ拡大です。これまでは治安の観点などから、政府内にも慎重な意見が多く受け入れに消極的なスタンスが取られてきましたが、最近は中小企業の人手不足がいよいよ深刻になってきたので、受け入れ拡大に舵を切るという流れです。

J.K.:コンビニや飲食店で外国人労働者を多くみかけますが、今はどれくらいの外国人労働者がいますか?

藤代: 厚生労働省の調査では2017年時点で128万人、岩手県の人口と同じ規模の外国人労働者がいます。このうち約4割の方は、留学生と技能実習生と呼ばれる方で、主に中国、ベトナム、フィリピン、ネパールといったアジア系の出身です。現在の制度では、こういった方々は原則として5年間の滞在が最長となっているので、日本語を習得して仕事に慣れてきた頃に日本を離れる必要があり、それがお互いに非効率であると問題視されてきました。

J.K.:これが変更される可能性があるんですか?

藤代:骨太の方針は、あくまで「方針」ですから、政策として決定したわけではありません。その上で、政策案を解説すると、やはり5年という滞在期間は短すぎるので、一定の要件を満たした場合は更に5年間延長するといった案が検討される見込みです。結果として最長10年の滞在が可能になり、人手不足に一定の効果が期待できるという訳です。介護、建設といった分野では特に受け入れ拡大が期待されていますので経済的効果は大きそうです。ただし、こうした議論は、労働力という一面だけではなく、社会的に様々な影響を与えますから、欧米諸国の事例を参考にしつつ、慎重に議論を重ねていく必要があるように思えます。