藤代:おはようございます。今朝は201910月に予定されている消費増税について、どれくらい景気への影響があるか考えてみたいと思います。

J.K.:2度先送りされていますが、次は予定通り増税になりそうですか?

藤代:景気が急激に悪化した場合は、先送りの可能性がありますが、今のところ日本経済は順調に拡大していますので、予定どおり増税される可能性が高いです。ただしアメリカや中国の景気が悪化すれば、日本は無縁というわけにいかないので、海外経済次第では先送りも十分に考えられます。

J.K.:予定通り増税となった場合、どれくらいの負担になりそうですか?

藤代:数字を整理します。消費税1%あたりの国民負担は2兆7千億円です。1%あたり2兆7千億円の税収ですから、5%から8%へと3%増税された14年4月の時の国民負担は8兆1千億円でした。それに対して19年の増税は8%から10%へと2%の増税なので5兆4千億円の負担です。前回との違いは食品などに対する「軽減税率」が導入されることです。この軽減税率によって1兆円が軽減されます。つまり、国民負担は4兆4千億円となり、前回に比べるとマイルドです。

J.K.:それで日本の景気は大丈夫ですか?

藤代:正直なところ未知数の部分が多いです。次回の消費増税は教育の無償化と重なるので、国民負担は更に1兆円以上軽くなりますから、数値の上では前回14年との比較で半分以下の国民負担になるわけです。しかし前回は私も含めた経済の専門家、政府、日銀は増税の影響を軽く見ていました。私は同じ轍を踏まないよう、数字上の計算はほどほどにしておくべきだと考えています。したがって、現時点の結論としては、数字の上では消費増税の国民負担は前回対比で半分になるけれども、それをもって日本の景気が減速しないかは別問題。こう考えています。