Two Shot / THE HUMAN BEATS

今回ご紹介するのは、THE HUMAN BEATSの「Two Shot」です。
THE HUMAN BEATSは、キヨサク(モンゴル800)、Mummy D(ライムスター)、クリエイティブディレクターの箭内道彦さん、そして僕、亀田誠治によるプロジェクト。なんと4人あわせて170歳越え!

今年の6月に箭内さんから突然メールがきて、「福島のことを歌った曲が出来たから、亀田さんにちょっと聞いてもらいたい!」と言うんです。
普通、曲って、デモテープに吹き込んであるじゃないですか?
ところが、箭内さんは、「曲は、出来たてのホカホカで僕の頭の中にあるだけなんです」と言いながら、ギターでこの「Two Shot」のワンフレーズを弾き語りしてくれたんです。
それが本当に素晴らしいメロディーとシンプルな言葉で作られた曲で、ちょっとホロリときちゃったんですね。
その場で、この曲一緒にやろう!と快諾しました。

箭内さんは、みなさんご存知のとおり、去年の震災のあとに猪苗代湖ズというバンドを、サンボマスターの山口君達と立ち上げて「I Love you & I Need You ふくしま」という曲をチャリティーで歌っていましたが、
箭内さんが考えるに、震災から一年経った今年。
新しいカタチの、東北の応援ソングを作りたいと思ったそうで、
今ここで東北の歌を歌わないと、みんな東北のことを忘れてしまうんじゃないか、ということで、箭内さんはこの曲を思いついたらしいんですね。
猪苗代湖ズでは、ロックや叫びみたいな表現をしていたんですけど、今度は優しい歌を作りたいと。
それを箭内さんが作ると、どうしてもメンツが偏ってロックになってしまうので、亀田さんの広いブレーンを使ってプロデュースしてほしいんです!というお話を頂いたんです。
あったかいメロディーだったので、まず直感的にモンゴル800のキヨサクの声が浮かびました。
キヨサクに速攻電話したら快諾してくれて、まず配信で弾き語りバージョンをキヨサクと作ったんですけど、それを聞きつけたMummy-Dが「俺にもラップで参加させて!」と向こうから言ってきてくれたんです。
本当に手弁当で、気持ちの輪でつながった一曲なんです。

あと、この歌のコンセプトが面白くて、
箭内さんが「詠み人知らず」の歌にしたい、ということで、いろんな人が、自由に歌詞をつけていいんです。
ちなみにCDでは
1番は箭内さん
2番は怒髪天の増子さん
3番は僕、亀田誠治
4番はMummy-D(ライムスター)
5番はもう一度箭内さん
という、自由に曲が広がっていくメッセージボードのような、バトンを渡す方式で作られているんです。
9月の中旬、猪苗代湖で行ったイベントで高橋優君とこの曲をやったんですけど、その時は優君が新しい歌詞をつけてくれたんです。
そのとき一緒にやるアーティストによって、また新しい言葉が生まれていくという。
しかも、そのイベントの夜に、僕が作詩講座というイベントをやったんですけど、そこでも一般のお客さんと一緒に作ったりして、もう、誰もが参加できる歌になっているんです。
現状でも6分越えしてるんですけど、将来的には、10番、20番ができて10分、20分越えしていく曲になっていくんじゃないかな、と。

震災への思いを風化させず、東北を出て離ればなれになっている人にも届けたいと、心あたたかいミュージシャンが、手弁当で集まって作ったこの曲が多くの人に届くといいなと思い、今日は手前味噌ですが自分の作品をレコメンさせていただきました。
ちなみに、この楽曲の販売によって得た利益の全額は「あしなが育英会」に寄付することになっております。

亀田誠治(かめだせいじ)

‘64年、アメリカ、ニューヨーク生まれ。辰年。
‘89年、音楽プロデューサー、ベースプレイヤーとして活動を始める。これまでに椎名林檎、平井堅、スピッツをはじめ Do As Infinity、スガ シカオ、アンジェラ・アキ、JUJU、秦基博、チャットモンチー、エレファントカシマシ、WEAVER、植村花菜、ハナエ、MIYAVI VS KREVAなど 数多くのアーティストのプロデュース、アレンジを手がける。 ‘04年夏から椎名林檎らと東京事変を結成。 ‘12年閏日に惜しまれつつも解散。 ‘07年、第49回日本レコード大賞、編曲賞を受賞。 ‘09年には自身初の主催イベント「亀の恩返し」を武道館にて開催した。

◎亀田誠治 twitter:  http://twitter.com/#!/seiji_kameda
makotoya : SEIJI KAMEDA Official Website