Karibu Ya Bintou / Baloji feat. Konono No.1

今回ご紹介するアーティストはベルギー在住のコンゴ人ラッパー、バロジです。

この人はベルギー育ちで、これまではありがちなフランス語のラップをこれまたありがちなフレンチR&B〜ヒップホップのトラックに乗せてあまり冴えないラッパーだったのですが、最新作で化けました! 故郷コンゴに行って、コンゴの古い伝統音楽の音楽家達をバックに従えてラップをしています。

コンゴには古くからラテンやキューバ音楽が聴かれていて、それをアフリカ風にやっている音楽があって、そこにフランス語のラップを載せたり。もう1つは親指ピアノを使ったダンス音楽があって、そこにラップを載せたり。

今日紹介する曲は、来日経験を持つコンゴの電気親指ピアノ集団Konono No.1がバロジと共作した曲です。彼らが使っているのは、なんと電気親指ピアノ! 親指ピアノと言えばエコな優しい楽器だと思われがちですが、彼らKonono No.1は電気を通してディストーションばりばりに演奏します。

Konono No.1は5年前には来日して日比谷野音をいっぱいにしました。野外フェス「メタモルフォーゼ」に出演した時も、デトロイトテクノのグループ、アンダーグラウンドレジスタンスのメンバーが彼らに心酔して話しかけたら英語が通じず、お互いにニンマリしたまま固まった…というすごいグループなんです。

Konono No.1も今月「Assume Crash Position(墜落時態勢を取れ!)」というアルバムを出したばかりです。ちなみに日本盤のライナーノーツは僕が書いています。そのKonono No.1とバロジの共演。すごくワイルドで野蛮な音のぶつかりあい。まさにアフロ・クールです!

実はこのバロジ、この曲のレコーディングの際、Konono No.1のメンバーに1人50ドルしか払わなかったそうなんですが、Konono No.1のマネージャーが大激怒して、追加のお金を払わせたそうです。レコード会社に直訴して、曲のクレジットも“Baloji feat. Konono No.1”にしてもらったとか…!



サラーム海上(うながみ)

アフリカ、中近東など、HOUSE,HIPHOP TECHNOシーンにめっぽう詳しいツワモノライター。大学卒業後、音楽ソフト販売、フランス留学、2年半の放浪、インディーズ系レコード会社、クラブ運営会社を経て「よろず風物ライター」としてTVブロス、ソトコト、STUDIO VOICE、MUSIC MAGAZINE、流行通信、フィガロ、PEN、SWITCH、POP ASIAなど連載多数。
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