春うらら / D.W.ニコルズ

亀田誠治、今年初のイチオシとして持ってきたのは『D.W.ニコルズ』というバンドです。
一年くらい前に「愛に。」という曲を聴いて、一発で応援心をくすぐられました。
太陽と海の街、湘南の葉山出身のボーカル、わたなべだいすけさんを中心とする4ピースバンドで、ボーカルとギターが男の子、ベースとドラムのリズム隊が女の子というバンド編成。
ちなみにこの「D.W.ニコルズ」という…人を食ったようなバンド名ですが「D.W.」とは、ボーカル・わたなべだいすけさんのイニシャルだそうです。

先日、彼らのライブ音源を聞く機会があったんですけども、このD.W.ニコルズ、ライブでも歌詞がちゃんと届くんです。
一言一句漏らさず入ってくるという感じで、言葉に凄く説得力があったんですね。
ここまで歌詞が伝わるのは何故だろうと考えたところ、これはボーカルのわたなべだいすけさんの声に秘密があるのではなかろうか、と。
ボーカリストの声って、歌詞が伝わりやすい声とそうでもない声の2つに分かれるんですよ。
たとえば、BUMP OF CHICKENの藤原君、ハナレグミの永積君、くるりの岸田君、そして畑は違いますけど森本レオさん。
彼らの声ってどこかハスキーで、息の成分がふんだんにあって、そういう人たちの言葉・歌詞というのは、凄くリスナーに伝わってくる。
この息の成分というのが、聞く人と歌い手との距離をグッと縮めてくれる魔法の成分なんですよ。
いわゆる歌が上手いとか、ボーカルレッスンをして身に付けていくスキルの部分ではなくて、天からの授かり物なので、これはもうご先祖様に感謝しなきゃいけませんね。
楽器で言う音色、ボーカリストで言う声色。
僕自身もプロデュースをするにあたって、アーティストの声の部分というのは凄く重視します。
唯一無二の声と言うか、その人でしか出せない声、やっぱり声が良いと凄く届く作品が作れますから、声が主張する存在感というのは大事ですよね。

今の世の中、不景気・不景気と言われてますけど、「大きな幸せは、まず一人一人の小さな幸せから始まる」これが今年の基本になっていくと思います。
このD.W.ニコルズの歌ってる世界や距離感というのが、日常生活の幸せを個人的な言葉で伝えてるところが大きいと思ってて。
不景気の時って、わりとお祭り騒ぎみたいな曲もヒットしますけど、僕はどちらかというと、そういうヒットには懐疑的な部分があって、こういう時代だからこそパーソナルな曲でダイレクトに届くアーティストの言葉が必要になるんじゃないでしょうか。

ということで、2月25日にD.W.ニコルズのセカンドミニアルバム「春うらら」が発売されますので、是非聞いてみてください。
D.W.ニコルズ オフィシャルウェブサイト

亀田誠治(かめだせいじ)

日本音楽界稀代のプロデューサー、椎名林檎、スピッツ、平井堅、アンジェラ・アキ、Chara、SOPHIA、175R、松千など、手掛けたアーティストは数知れず。
2004年夏から椎名林檎らと「東京事変」を結成。
アーティストとしても活動中。
makotoya : SEIJI KAMEDA Official Website