2009.01.18

YES WE CAN / COCOA TEA

ここ最近の世界的に注目を集めていることと言えば、いよいよ20日に迫りましたアメリカ新大統領バラク・オバマ就任式ですよね。
去年だと、北京オリンピックだとか、ジャマイカではその都度イベント的なことに合わせて曲が出てますよ、とご紹介してきましたが
実はオバマさんに対しても、ジャマイカで最近凄い曲が出てるんです。いわゆるオバマ・ソングというやつですね。
その中でも、去年の選挙期間中からオバマ支持を表明したアーティストがいました。
Cocoa Teaというベテランの人気シンガーなんですけど、今回ご紹介する「Yes We Can」の他にも「バラク・オバマ」という曲もあったり、
これを選挙権のない違う国のアーティストが歌ってるということで、なかなか話題になりまして、アメリカのメディアでも取り上げられたんですよ。
今回はそのCocoa Teaのアルバム、その名も『Yes We Can』!オバマさん就任式の翌日にリリースされます。

このCocoa Tea、なぜ選挙権もない他国のことを歌ってるのか…
実は、単にオバマさんを応援しているだけではなくて、彼の演説「白人も黒人もなにも関係なく団結してアメリカを一つの国として頑張っていきましょう」というメッセージに共鳴したんだそうです。
ジャマイカも、僕らからすると黒人が多いイメージがあるんですけど、中国人もインド人も凄く多いんですよね。
国の中でいろんな人種がいたり、貧富の差も非常に激しい国というところで、ジャマイカという国の一つのテーマとして「多くの人種、一つの国」というメッセージがあるんですけども、それがオバマさんのメッセージと重なったんでしょうね。
だから決して遊び半分でこういう歌を出しているわけではなくて、これを機に我々ジャマイカ人ももう一度団結して行こうということを歌ってるんだと思います。
それと同時にジャマイカの中だけに対してではなくて、ジャマイカは世界から見ると小さな国ですし、政治的にも経済的にも軍事的にも大した影響力はないんですけど、振り返ってみると、ボブ・マーリーの時から世界に向けてメッセージを歌い続けてきたところがあるんですよ。
だから今回Cocoa Teaがこれを歌ってるのは、ボブ・マーリーが歌った「ONE LOVE」と共通するテーマ性だと思うんです。
ウケ狙いの一発ネタみたいにとらえられるかもしれないですけど、実はそのベースにあるものというのは、レゲエのルーツだったり、カルチャーだったり、というところがあるんですね。

八幡浩司(やわた こうじ)

「この人がいないと、日本にレゲエ・ミュージックは入ってこない!」と言われる、レゲエ・ミュージック界の元締め!?
もちろんジャマイカに足しげく通い、ジャマイカのレゲエ音源を日本に紹介。
24×7 RECORDS