ON THE GO FASTER THAN BULLET / MAVADO

いよいよ暑くなってまいりましたけども、この夏と言えば、北京オリンピック!
そして、レゲエと言えばジャマイカなんですけど、ジャマイカは陸上の短距離という分野においては金メダリストが多いんです。
アサファ・パウエル選手とか、この間も100mの新記録を樹立したウサイン・ボルト選手など、なかなか大きな大会では金メダルがとれてないんですけど、100m世界記録で現在の1位と2位は両方ともジャマイカの選手なんです。
ということで、当然ジャマイカでもオリンピックに向けてそういった選手への期待感も高まっています。
そんな中、この間2位に落ちてしまったんですが、ずっと1位の記録を保持していたアサファ・パウエル選手、
ナイキとスポンサー契約しているんですが、ナイキがいろんなオリンピック選手を応援する中で、アサファ・パウエル選手を応援しようと、本人に相談したところ「自分の応援歌を作ってくれ」とのことで、ナイキもそれに承諾。
では、どういう応援歌を作ってほしいのかと聞いたら、ジャマイカのダンスホール・アーティストに自分の応援歌を作ってほしい、と。
そこで頼んだアーティストというのが、MAVADOというんですが、これがなかなか凄いことになってましてですね。。。
超ーー悪いアーティストなんですよ、最近流行のいわゆるバッドマン系アーティスト。
でもジャマイカでは今一番熱いアーティストなんです。
このMAVADO、疑いは晴れたんですが殺人容疑でなかなかビザが下りなかったり…とにかく他にもいろんな裁判をかかえてます。
それが国を、ナイキを代表するアーティストになってしまったんですからね…。
こうなってしまうと、ナイキも大したもんだと逆に言ってあげたいんですけど。

MAVADOは、実はレゲエのダンスホールシーンでは本当にヤバイ存在なんです。
ジャマイカの中だけじゃなくて、例えばアメリカのヒップホップのG-UNITが、MAVADOと一緒にリミックスを作ったり、あるいはジャマイカで作った曲がニューヨークのラジオでかかり、それを聞いたJAY-Zがその曲に勝手にリミックスを作り、ニューヨークのチャートで1位にさせてしまったり・・・とにかく、いろんな人たちがMAVADOに反応してて、これだけ犯罪歴があったりいろんなことをしているにも関わらず、映画出演は決まるわ、ゲームの主題歌になるわ、本当凄い人気なんですよね。
彼はカッサバ・ピースというジャマイカの超ゲットーなところ出身なんですけど、なんとナイキは「カッサバ・ピース・モデル」というスニーカーまで作っちゃったんです。
いろんなジャマイカのアーティストがいて、ここまで悪い奴もいないんですけど、逆にこの悪さでここまで世界に受け入れられてる奴もいないでしょう。

で、今回ご紹介するMAVADOが応援歌として作った曲、タイトルが「ON THE GO FASTER THAN BULLET」=「弾丸より速ぇよ、おまえは」
ジャマイカ凄ぇよ!ということを延々と歌ってる曲なんですけど。
さすがに今回はMAVADO君も考えましたね。
毎回、自分の曲の頭では、俺はギャングスターだということを延々と歌ってから曲に入るんですが、この曲では歌ってません。
国の代表だということを自覚しているんでしょう。
今回、アサファ・パウエル選手がMAVADOを選んだということ、ナイキがMAVADOを認めざるを得なかったこと、逆に言うとそれだけMAVADOは凄いんだということで、アサファ・パウエル選手はもちろん、『MAVADO』にも今後是非注目していただきたいです!

八幡浩司(やわた こうじ)

「この人がいないと、日本にレゲエ・ミュージックは入ってこない!」と言われる、レゲエ・ミュージック界の元締め!?
もちろんジャマイカに足しげく通い、ジャマイカのレゲエ音源を日本に紹介。
24×7 RECORDS