MANSARD ROOF / VAMPIRE WEEKEND

年末年始は、ずっといろんなアーティストのライナーノーツを書いてました。
今年は本当にいいバンドがたくさん出てきそうなので、書いているのもとても楽しかったんですけど、その中でもまだ今年始まったばかりですが、ベスト新人!と言えるかもというのが、本日ご紹介するVAMPIRE WEEKENDというバンドです。
このバンド名だけ聞いて、皆さんはどんな音を想像しますか?
ハードコア?デスメタル?なんて想像をされるかと思いますが、実はちょっと違うんですよね。
例えて言うなら、ヴァンパイアに噛まれた後に、なおかつカツアゲまでされてるような、私の大好きなケンカの弱い系ロックなんです。
でも実は、宇多田ヒカルさんも在学していたニューヨークのコロンビア大学をメンバー4人全員卒業していたりして、高偏差値のバンドでもあるんですよね。
じゃあ、そんな彼らが何故「VAMPIRE WEEKEND」というバンド名をつけたかと言うと、卒業制作で短編映画を作ったそうで、そのタイトルが『VAMPIRE WEEKEND』だったんですね。
その映画のトレーラー部分を見たんですけど、なにが「VAMPIRE WEEKEND」なんだろうと思うくらい、メンバーが体操服着たり、コスプレしたりしながら、なにかから逃げているだけの映画で、映画の点数は…まぁ45点くらいでしょうか(笑)
でも音は98%!素晴らしいですよ!!
元トーキング・ヘッズのデヴィッド・バーンが「君たちは初期のトーキング・ヘッズみたいだね」というくらい、既にニューヨークのアンダーグラウンドシーンでは話題持ちきりですし、ニューヨークのアンダーグラウンドシーンのいろんな影響をギュッと凝縮したかのようなサウンドで、音を聞くと、アフロとかカリプソとかカリブっぽい感じのリズムも取り込んでいるんです。
最近の新人ってロックやフォークの中からなにかを発見して取り入れるバンドが多かったんですけど、VAMPIRE WEEKENDはそれとは違うところに影響圏を持ってるタイプのバンド。
実際に音を聞いてもらうとわかると思うんですが、本当に発想が変わってるんですよ。
彼らは、文学とか映画とか、とにかく音楽以外のところにアイディアの源をたくさん持っているみたいで、良い意味で変なバンドなんです。
でもこれまでは、良い意味で変なバンドって一部のマニアに愛されては消えていく…というパターンが多かったじゃないですか。
でも実は、彼らには結構大きなエージェントがバックについていて、
例えば、THE WHITE STRIPESとかM.I.A.といった、ここ数年シーンを騒がせている人達を育てたマネージメントがちゃんとついているので、このVAMPIRE WEEKENDも変わってる部分を個性としながらその個性を曲げられることなく、自分たちらしく、これから大きくなっていきそうな気がします。
アルバムリリースは2月20日の予定ですので、是非聞いてみて下さいね!

妹沢奈美(せざわなみ)

'71年、鳥取県出身。現代美術史を学ぶため英国留学中にロックやダンス・ミュージックに出会い、早稲田大学第一文学部卒業後は音楽雑誌の編集部に入る。
その後フリーとなり、雑誌などの取材記事やライナーノーツなど執筆活動を続ける。
これまでに取材したUKミュージシャンはオアシス、コールドプレイ、アークティック・モンキーズ、ザ・リバティーンズ、モグワイ、ブライト・アイズなど多数。