HOODSTAR (アルバム) / CHINGY

今日ご紹介するのは、CHINGYの最新作で3rdアルバム「HOODSTAR」です。
これは数日前に日本先行で発売になったものなのですが、現在タイリースをフィーチャーした「PULLIN' ME BACK」という曲がアメリカで大ヒットしているところですよね。
CHINGYは毎回2枚組でリミテッド・エディションが出るんですけど、1stアルバム・2ndアルバムはどちらもDVD付きだったんですよ。
ところが今回は、スクリュー盤付き!!
要するに1枚が普通のアルバムで、もう1枚がこれまでのベスト的な選曲のスクリュー盤というわけです。
まず「スクリュー」とは何かということですが、去年日本でもスクリューが話題になりかけた頃にも説明しましたが、テキサス州ヒューストンのヒップホップシーンの名産物でその地のDJであるDJスクリューさんが開発したリミックス手法というか…とにかく遅回しにして所々にスクラッチを絡めるという手法です。
元々ヒューストンのラッパーがオリジナルアルバムを出して、その後にちょっとだけジャケットを変えてスクリュー盤というものを出していたんですけども、ここ数年でヒューストンだけじゃなくてニューオリンズ・アトランタ・ミシシッピ・アラバマなどいろいろな所のラッパー達がスクリュー盤を出すようになって、面白いことに早口で有名なTWISTAのスクリュー盤も出てるんですよ。
そうするとプラス・マイナス・ゼロで普通になっちゃうと思うんですけど…。
という風にシカゴ・ミッドウェストのTWISTAのスクリュー盤まで出ていますので、ミッドウェストの南の方ですがCHINGYのスクリュー盤も要チェックですよ!
オリジナルと比べて聞くと更に面白いんじゃないでしょうか。
今回のCHINGYの一枚丸ごとスクリューというのは日本初めての快挙だと思うんですよ。
ヒップホップのアイディアって最初は馬鹿にされるようなものもあるんですが、例えばスクラッチというのは今でこそみんなやってますけど、レコードに針をおろしてそのレコードをシャカシャカやってその音を楽器的に使うっていうのは、たぶん当初は「なんじゃ、ありゃ!?」って馬鹿にして鼻で笑う人もいたんじゃないでしょうか。
それを考えると、このスクリューだって笑ってられないですよ。分布も広がってきていますしね。
念のため勘違いされないように申し上げておきますが、CHINGYのスクリュー盤はあくまでもリミテッド・エディションの方にボーナスでついているだけですので、普通のスピードだけで楽しみたい方は1枚組を買ってください!もちろん名曲「PULLIN' ME BACK」も入っています。
ちなみに、今月末のbmr別冊で『bmr presents サウス&ミッドウェスト』という、まさにこのテーマに則したものが出ますので、もっと深く知りたいという方は是非そちらもチェックしてくださいね!よろしくお願いします!!

丸屋九兵衛(まるやきゅうべえ)

牡羊座、血液型不明。一応、京都府出身。
早稲田大学第一文学部卒業。
浪人はしていないが、卒業までに5年かかる。
理由は勉強が好きだったから。
専門は文化人類学もどき。卒業論文はヴードゥー教関連。
1994年10月にbmr(BLACK MUSIC REVIEW)編集部に入る。
現在の肩書きは「編集マネージャー」意味は不明。
内職で早川書房の『SFマガジン』にて隔月連載。
免許・資格は皆無。機械にはめっぽう弱い。