2005.07.17

LET 'EM FIGHT / Ali/Gipp

先週行われたNELLYの来日公演ですが、この15年ぐらいで一番良いヒッピホップのライブでしたよ。
もちろんヒット曲も多いっていうのもありますが、ちゃんと大箱用に演出が考えられていて素晴らしかったですよ。
セントルナティックスが勢揃いしているってことと、ヒッピホップのライブで一番良くない取り巻きがステージに出てくるってことがまったくなかった。
セントルナティックスのメンバーとDJと女性ダンサー3名。
マイクもっていなくて、ひとり踊るだけの奴がいるんですよ。
スローダウンさんっていうんですが、その人が間の手というか、手でいろいろ指示してみんなでステップを踏んじゃったりするんですよ。
やっぱりミッドウエストすごい楽しいです。
その中にひとりだけゲストがいたんですよ。
多分のお客さんの9割は、その人が誰だかわかっていなかったと思うんですよ。
なんで今日はそれを解明したいと思います。
NELLYも出演している「ロンゲスト・ヤード」っていいう監獄フットボール映画があRんですけど、実はそのサントラに秘密が隠されていたんです。
「LET 'EM FIGHT」という曲をやっているAli/Gippという人達がいまして、Gipさんというのは通称”Big Gipp”さん。
本名”Cameron Gipp”さんですが、”Goodie Mob”のメンバーなんですね。
Goodie MobというのはOutkastと同じく、ダンジョン・ファミリーの一派で95年に『Soul Food』というアルバムでデビューしていて、これまで4枚のアルバムを出しています。
その人が今回NELLYのDirty Entertainmentと契約して、ちょっとNELLY一派みたいな感じになって、セントルナティックスのAliと一緒になぜかデュエットアルバムを作っていると。
そういう関係で出て来たようです。
やっぱりアトランタ乗りが入っていて、肘を振り上げる感じなんですね。
セントルナティックスはもうちょっと軽やかなノリなんですけれど。
私が見たのは武道館の初日のステージだったんですけれども、Gippは毛皮のコートの下に黒Tシャツ、黒のスパンコール付きの半ズボン。
かなり異様な風体でして、しかも動きがデビュー当時のBusta Rhymesぐらい変な動きだったんで、かなり目立っていました。
お客さんは凍り付いて、どう反応したらいいのかわからないような状態だったようです。
顔はかなり堺正章さんに近いですよ。
これまではミッドウェストのラッパーがアトランタのレーベルにフックアップされてデビューしていたんですね。
ところが今回はアトランタのラッパーで既に4枚もアルバムを出している人が、ミッドウェストのレーベルと契約してやるということに意味があるそうなんです。
アトランタといえば、結構ロスをしのぐぐらいの音楽産業街ですよね。
以前はミズーリなどのミッドウェストには才能があってもレコード産業が無かったんですよ。
ところがNELLYの活躍によって産業の町おこしみたいになり、レーベルも出来たので、逆にアトランタのラッパーを連れて来て契約していまうといった状況になっています。
アトランタの中で完結してしまうよりも、ちょっと異種混合をやってしまう方がおもしろいのかと思います。

丸屋九兵衛(まるやきゅうべえ)

牡羊座、血液型不明。一応、京都府出身。
早稲田大学第一文学部卒業。
浪人はしていないが、卒業までに5年かかる。
理由は勉強が好きだったから。
専門は文化人類学もどき。卒業論文はヴードゥー教関連。
1994年10月にbmr(BLACK MUSIC REVIEW)編集部に入る。
現在の肩書きは「編集マネージャー」意味は不明。
内職で早川書房の『SFマガジン』にて隔月連載。
免許・資格は皆無。機械にはめっぽう弱い。