Get On The Floor / Frankie J

Blackミュージックのスペシャリストとして登場したんですが、のっけからいきなりBlackじゃないんですが、”チカーノ・R&B”です!アーティストは『Frankie J』というシンガーです。
”チカーノ”とは、いわゆるヒスパニック。
英語とスペイン語の両方が使えることが多い、メキシコ系アメリカ人です。ルックスを想像してもらう為にプロレスで言えば、WWEの”レイ・ミステリオ”とか”エディ・ゲレロ”とか、そういったレスラーがいるんですが、そこらへんがメキシコ系アメリカ人ですね。
で、チカーノでも”チカーノ・ラップ”っていうのが結構90年ぐらいからずっと人気があって、”キッド・フロスト”とかライター・シェイド・オブ・ブラウン”って94年ぐらいに『ヘイ・D.J.』をヒットさせた二人組、あと”サイプレス・ヒル”だとBリアルもチカーノだったりするんですが。
そういう風にずっと脈々と伝統があったんですが、ここにきて”ベイビー・バッシュ”が『シュガ・シュガ』を大ヒットさせて、チカーノっていうのが一般のリスナーに浸透したと思うんですが、このベイビー・バッシュの『シュガ・シュガ』でサビを歌っていたのが、今日ご紹介する"Frankie J”なんです。
プロモーションビデオでサンディエゴ・チャージャーズのユニフォームを着てなよなよと歌っている丸坊主のお兄さんが、Frankie Jなんです。
顔だけ見ている日本人みたいなんですけれどね。
結構、昔からの知り合いみたいなんですけど、Frankie Jは元々メキシコ系アメリカ人グループの”A・B・キンタニージャ・イ・ロス・クンピア・キングス”というのがあるんですが、そこのボーカリストをやっていたんですね。
サンディエゴ出身で、多分20代後半じゃないかと。
本名は”フランシスコ・バティスタ”。
『シュガ・シュガ』の前の昨年の5月に、アルバム『What's A Man To Do』でデビューして、シングルの『Don't Wanna Try』というのがスマッシュヒットしています。
チカーノって体格的なこともあって、黒人みたいに声が強いとか太いとかでリスナーに聴かせることは出来ないので、すごく丁寧に歌い込むシンガーが多くて、チカーノ・R&Bの特色を一言で言うと”軟弱なのにしつこい”とか”ケンカ弱そうなのに粘り腰”というか”薄いのに甘ったるかったり””爽やかなのにクドかったり”とか、なかなかしつこくネバっこく迫ってくるのが良いと思います。
この曲はワムの『Everythig She Wants』をサンプリングして、すっとループしているんですが、ジョージ・マイケルの声とFrankie Jの声がナヨナヨと解け合って絶妙な気持ちよさです。
詳しい資料はないんですが、作曲クレジットを見ると”ブライアン・マイケル・コックス”の名前が入っているので、多分彼がネタを仕込んだのではないかと思います。
日本だと2〜3年前に”ゴスペラーズ”も手がけてました。
Frankie J・公式ページ

丸屋九兵衛(まるやきゅうべえ)

牡羊座、血液型不明。一応、京都府出身。
早稲田大学第一文学部卒業。
浪人はしていないが、卒業までに5年かかる。
理由は勉強が好きだったから。
専門は文化人類学もどき。卒業論文はヴードゥー教関連。
1994年10月にbmr(BLACK MUSIC REVIEW)編集部に入る。
現在の肩書きは「編集マネージャー」意味は不明。
内職で早川書房の『SFマガジン』にて隔月連載。
免許・資格は皆無。機械にはめっぽう弱い。