2020年08月23日の放送にいらしたゲストの方々です。

Guest : DISCLOSURE


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今年のフジロックに出演予定だったDisclosureへインタビュー!

クリス:兄弟で音楽をやってる二人ですが、そもそも曲作りの役割分担などある?

ガイ:あるよ。ハワードは歌詞とメロディ、ベースラインやコードを書いていて、音楽理論やハーモニーに長けている。
そこに、曲に参加してくれたシンガーが、彼らの考えた歌詞やメロディも提供してくれる。
その一方では僕がビートやプロダクション、サウンド、曲構成を手がけて、
ハワードたちがやっていることにも意見を言う。僕はどこに何を持ってくれば良いかといったアレンジが得意で、
それに対して、ハワードはアイディアをたくさん出すから、そこから好きなのを選んでくれ、という感じで作業する。
ハワードはシンガーソングライターで、僕はプロデューサーってところだね。 2人で必要なこと全てを賄えるんだ。

クリス:前作から5年ぶりとなるアルバム『ENERGY』の制作にあたって、この数年のあいだに 200曲も作って、その中からアルバムに入れる11曲を選んだそうですが、
普段からこういう作り方をしてるんでしょうか?

ガイ:いつもとは全く違うやり方で制作したんだ。こんなに曲を書いてから作ったのは初めてだよ。普段は曲を書いたら、その全部を収録するという形で制作していた。
それは時間をかけずに作っているからで、自分たちに勢いがあって、
ファンも増えてきて多くのサポートを得るようになっていたから、200曲も書いて、
そこから良い曲を選ぶなんていう時間的余裕はなかったんだ。
“さあ、この勢いのままいこう!”といった感じだった。
だから、今回たくさんの曲を書いてから制作したのは、ファン・ベースも強固なものになって、自分たちが時間をかけて曲作りをしてもファンはサポートしてくれるとわかっていた。
それでも、ファンが僕たちと同じように今作に満足してくれることを祈っていたんだ。

クリス:タイトルトラックの「ENERGY」では、アメリカ人のモチベーショナル・スピーカー、Eric Thomasの声をサンプリングしてます。実はDISCLOSURE、1stアルバムでも、このEricの声をサンプルしていたんですが、どんなキッカケで、彼の声と出会ったんでしょうか?

ガイ:エリック・トーマスはPodcastをやっていて、ハワードも僕も、彼のPodcastの大ファンなんだ。
彼の取り上げる話題はすごく重要で、強く勇気を持って生きること、ポジティブなアティチュードを持って1日をスタートする、というようなメッセージ。
だから、彼の訴えていることを伝えられる内容にできるようにしたんだ。
この曲は新型コロナウイルスが流行しているこのロックダウン中にリリースした最初のシングルで、彼のメッセージも更に意義のあるものとなっていると思った。
強く勇気を持って前向きな姿勢で生きていこうという内容で、こういう時期にとても適したメンタリティだよ。

クリス:ずっと兄弟でやってて、ケンカとかしないんでしょうか?

ガイ:激しく言い争ったりはしないけれど(笑)、意見が合わない時はもちろんあるよ。それはいいことだよね。
誰か自分の仕事を批評してくれたり同意してくれる人が必要だ。頭脳は一つよりも二つあった方がいい。
喧嘩というよりも、より良い音楽を作るための意見の違いで、普段の生活のささいなことで言い争ったことは記憶にないな。僕は外交的で、ハワードは内向的なんだ。
ハワードは静かな時間を過ごすのが好きで、読書をしたり、都会で時を過ごすこともあまりない。
逆に僕はロンドンに住んで、ロサンゼルスにもガールフレンドと一緒に家を持っている。
でも、2人とも人との付き合い方や、自分たちがどのような人間でいたいかは似ている。
フェアでいたいし、思いやりを持って人に接したい。そういう風に育てられたから、似ているのも当たり前だよね。
同じ両親に育てられているんだから。ただ楽しみが違うんだ。

クリス:今や、世界中を躍らせる人気アーティストへと成長したDISCLOSUREですが、そのメンバーであるガイにとって、ダンス・ミュージックの魅力ってどんなところ?

ガイ:難しい質問だね(笑)。
ダンスミュージックの魅力は、誰もが家で作れるという点かな。
今のテクノロジーであれば、クオリティの高いハウス・ミュージックやガレージ・ミュージックを作るのに高級なセットアップは必要としない。
皆、ベッドルームで制作している。僕もそうで、どのアルバムも自宅で作っている。ディスクロージャーは、デモを作って、それを費用のかかるスタジオに持っていって、録り直すということはしない。
デモ自体がもう曲になっていて、そこで作ったものが最終的な形となっている。今では誰でもできることだ。
音楽的な要素をいうと、ドラムだと思う。僕はドラマーなんだ。
ハウス・ミュージックを好きになった理由はドラムだと思う。様々なリズムやフィールが表現されていて、よく知らずに聞いているとブン・ブン・ブンというリズムしか耳に残らないと思うけれど、
本当はもっと複雑なリズムやレイヤーで構成されていて、僕にとってハウス・ミュージックは奥深い音楽で、自分との繋がりを感じる音楽なんだ。

クリス:ハウス・ミュージックに魅せられたガイ、そしてハワードのローレンス兄弟が生み出すダンス・ミュージック、常に進化しています。最新アルバム『ENERGY』での、新たなチャレンジについて教えてください。

ガイ:今作ではこれまで試したことのなかったジャンルの音楽をトライしてみようということで、それが最も顕著に現れているのは、ファトゥマタ・ジャワラとの「マリ・マリ」とブリック・バッシーとの「スネパ」だね。
歌っている言語も英語じゃなくて、そういった意味でも思い切った作品だよ。
英語とは全く違う言語で歌うアーティストとの仕事はとても楽しかった。
そんな曲を作るなんて、自分たちでも考えていなかったからね。
僕たちはいつも何か新しいことをやろうとしているんだ。
あと、アミーネやスロウタイ、コモンといったラッパーとの仕事も以前からやりたいと思っていたことで、前作を作るまではそういった人たちを直接知らなかったけれど、
今ではラッパー界の友達もできて実現した。それも今回初めてトライしたことの一つだよ。

クリス:今はコロナの影響もあって、世界中が大変な時期を迎えてますが、自分たちの音楽活動に、どんな影響が出てる?

ガイ:不平不満は言えないよ。コロナの影響を受けている人たちのニュースを見たり、話を聞いたりすると僕たちのいる状況は何でもない。
僕はパフォーマンスできないことだけが恋しくて、それ以外はそれほど影響を受けていないな。スタジオで曲作りしている時は自己隔離の生活だからね。
この部屋に1人座って何時間も曲を作っているよ(笑)。
それで問題はないし、僕たちの家族も元気だ。
実は4ヶ月前には僕もコロナにかかっていたけれど、それも大丈夫になって何も問題はない。文句は言えないね。