2010年11月21日の放送にいらしたゲストの方々です。

Guest : 宇多田ヒカル


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宇多田ヒカル生出演!六本木ヒルズけやき坂スタジオから公開生放送!

クリス:夏にブルーノートで偶然あったけど、その二日後ぐらいに「人間活動に専念する」発言がアップされて。
宇多田:そうだったそうだった。
クリス:教えてよ。
宇多田:いちおう秘密だったので(笑)。
クリス:(笑)で、「人間活動に専念する」発言ですよ。今まで人間じゃなかったの?
宇多田:なんていうんだろうな?アーティスト活動とかしていると、周りも私がいいアーティストであることを一番にしてくれて守ってくれる状況で、私自身がぜんぜん自分の環境のことよくわかってなかったっていうのがあって、ちょっとそのアーティスト活動みたいな変な環境から、一歩出てゼロに近い状態にに戻りたいなって。まあ簡単に言うと50歳ぐらいとか40いくつとかになって、マネージャーなしじゃなんにもできないオバさんとかになりたくなかった(笑)。
クリス:なるほどね。デビューしたのいくつだっけ?
宇多田:15歳。
クリス:やっぱり子供の頃にデビューしちゃってるから。
宇多田:そうなの。ちょっと大人になれてないっていうか。
クリス:非常に特殊な環境で、ひとりの女の子っていうよりもドル箱アーティストって風に見られちゃうと対応が違うもんね。
宇多田:そうなんですよね。
クリス:それでどれくらい休眠するの?
宇多田:休眠!(笑)どうなんだろう。わかんないっていうか決めちゃうと、ただの次の仕事をするまで待ってる期間になっちゃうから、できるだけ周りの状況をゼロに近くして、余分なものとかをとっぱらって、自分がクリアに見えるようになれたときに、またやりたいなっていうか、やれるなって思うときが…。
クリス:じゃあホントに決めてないってことだよね。どんなことがやりたいの?
宇多田:今、自分の生活環境とか、日本に住んでいると難しいっていうのもあるんだけど、普通に自分で全部光熱費とか考えたりとか、月何万でちゃんと生活して、ちゃんと帳簿つけてとかやりくりしてとか、誰でも当たり前にやってることを今まで一回もしてないから、自分がいくら使ってんのかよくわかってなかったりとか、家賃いくらだっけとか、ちょっとこれって15、6とかだったらカワイイけど、まあどんどんイタイ大人になっていくっていう、カッコ悪いなぁって。
クリス:ちょっとここでネジを締めなおして修正しないと、10年後20年後、とんでもないことになってるんじゃないかみたいな。
宇多田:誰しもすごい狭い世界に生きてるじゃないですか。芸能人だろうと主婦だろうと歌手だろうとサラリーマンだろうと。みんな自分でわかってないかもしれないけど狭い世界に生きてて、だんだん客観的に自分を見れなくなってって苦しくなってくみたいな。そういうのから自分もそうだったって気づいて、そこから出たいというか、ちゃんと自分を見ないとと思って。
クリス:そうか。宇多田ヒカルという人間は、人の出来ないことをずっとやってきたけど。
宇多田:おかげさまでね。
クリス:逆に人の出来ることが出来なくなっちゃったかもしれない。そこをちょっと補おうってことですよね。

クリス:『Goodbye Happiness』なんですが、ずいぶん意味深なタイトルですよね。
宇多田:そう?(笑)これ仮タイトルなんだったけな。仮タイトル覚えてないな。あっ最初これクリスマスソングにしようと思ってつくりだしたんだっけな。それがぜんぜん違うのになっちゃった…。
クリス:なるほどね。でもね『グッバイ・ロンリネス』が『グッバイ・ハピネス』になったってことで、これは歌詞を吟味していただければわかるんじゃないかということですよね。
宇多田:まあ、サガンの『悲しみよこんにちは』の逆なんだけどね(笑)。
クリス:あー、なるほどね。ぜひリリックをチェックしていただきたいって感じですけど、ミュージックビデオは自分で…。
宇多田:初監督しました。
クリス:長回しだよね。ワンテイク。
宇多田:そうそう、編集なしで。でもどこかで誰かが「一発撮り」っていったのを「一発でOKだった」って勘違いされたみたいなんだけど、何回も何回もリハーサルやってすごい時間かかって。
クリス:リハーサル何回やったの?
宇多田:私抜きでスタンドインの人で、周りの美術さんとかスタッフの人がやらなきゃならない手順がすごくややこしくて、それの練習だけでも何回もやって、で、私それ見ながら監督的にチェックしたりしつつ私も入って、結局、私も含めて実際撮って失敗して撮り直したりしたのは多分…10回はいってないか。10回ぐらいいったかな?実際最後、ほんと小さいことにつまづいて、グロスに髪の毛がついて「あーNG」とか。
クリス:それもまとめて全部見れたら面白いね。
宇多田:NGシーンを?
クリス:NGシーンはおもしろいでしょ?
宇多田:たしかに。まあいっぱいあるんだけど、まあそこは…いつか使えるかな?(笑)
クリス:でもすごいよね。今までの宇多田ヒカルの集大成じゃないけど、デビュー曲からいろんな踊りだったりとか衣裳だったりとかモジってね。
宇多田:セルフパロディで。最初は普通に監督さんに依頼しようと思ったんだけども、結局出てくるアイデアっていうのが今の私の気持ちと違って、宇多田ヒカルを演じなきゃいけない、カッコつけてる、私が他の人よりすごい存在のような見せ方っていう気がして、そうじゃないなって思って、ある意味デビューする前の私でもいいじゃん、別に有名じゃない私っていうテーマで自分で考えてみて、結局自分で監督してみてすごいよかったなって。ファンの人とかも特にファンじゃないような人も見てくれてホントに評判が良くて、Youtubeで公開したらすごいみんな見てくれて。
クリス:踊りがいいですね。
宇多田:ありがとうございます。今のポップミュージックへのアンチテーゼとして(笑)。
クリス:うんうん。あと、あれはヒカルちゃんの部屋をモチーフにしたセットだけど、ああいう部屋に住んでるの?
宇多田:ちょっと雰囲気似てる。けっこう似てる。椅子とか絵とかキーボードとか靴箱とか靴とかいろんなものを持ち込んで、けっこう私物が目立ったところに散らばってる。
クリス:じゃあこれはかなり渾身の作みたいな感じだよね。
宇多田:そうすね。一回しかできないネタ?セルフパロディとかも。
クリス:でも大変だもんね。いろいろ運番もあったりとか、ヨドみなくこうね。終わったとき大拍手だんじゃない?
宇多田:大拍手っていうか、みんな終わってホッとしたっていうかクターって。
クリス:(笑)皆さんもぜひチェックしてください。

クリス:そして2011年は人間活動に専念ということですが、いえる範囲でなにやりたい?
宇多田:ホントわからないけど、できたら外国でボランティアとかやりたい。なんかゼロの状態で人と接するというか特別扱いされない…、私なんかカフェでウエイトレスやったらほんと使えない奴で怒られると思うんだけど、この仕事(音楽)、得意なことばっかりやってるとなんかバカになっていくような気がして、今、誰も私に変な指示とかしないし、音楽的にも「これはないんじゃない」とか言う人はいないし、ほんと私を叱る人もいない…。
クリス:“ヒカル”を“シカル”人がいないと!
宇多田:叱るっていうか、指導する人がいないし。
クリス:健全なダメ出しをしてくれる人が見当たらなくなっちゃったんだ。
宇多田:そうそうそう。だからフランス語を勉強するとか、まあそういう…、人と接することがしたい。
クリス:普通のことに専念してみようってことですね。
宇多田:普通なことが特別なことだと思います。

番組恒例☆ピンポンボックス

◎最近のヘビーローテーションは?
宇多田:答えやすいやつだ。ジェフ・バックリィとコクトー・ツインズのエリザベス・フレイザーがデュエットしてたって最近初めて知って。
クリス:ホント?オレ知らなかった。
宇多田:ネットでしか発見出来なかったんだけど、CDリリースはたぶんされてないのかな?
クリス:へぇー。
宇多田:"All Flowers In Time Bend Towards The Sun"っていう凄くきれいな歌で、ネットでしか見つからなかったからダウンロードしたんだけど、すごい繰り返し聴いてます。
クリス:ジェフ・バックリィ最高ですもんね。
宇多田:なんか付き合ってたみたい。
クリス:ホント?
宇多田:聴いてみたらジョンとヨーコみたいに、ジェフ・バックリィが彼女を気遣ってちょっと控えめな感じに歌っているのがすごいおもしろい。

◎思わず胸がキュンとする芸能人は?
宇多田:いないなぁ〜。
クリス:海外でもいいですよ。
宇多田:海外でも?……いないなぁ…。する?テレビとか見てて。
クリス:いっぱいいるよ。
宇多田:(笑)そうか。
クリス:まあいないと。じゃあキュンとするモノとか動物とかでもいいです。
宇多田:それは、クマ。
クリス:なんでクマ好きなんですかね?グリズリーよりも小熊系が好きなの?
宇多田:ツキノワグマはカワイイんですけど、ヒグマは会ったら生きて帰れる気がしないヤバいクマらしいんですけど、リアルクマがどうとかよりもクマという概念、クマ崇拝みたいになってて、でも古い文化ってけっこうクマ崇拝の文化が多くて、アイヌとかケルト系の文化とか。もしかするとそういう血が流れて…。クマちゃんっていうぬいぐるみに出会った瞬間に、「あっ、これだ」って。
クリス:わかる。実はオレの親父がクマフリークだったみたいで、ずいぶん前に亡くなったんだけど、亡くなったあといろいろ整理するじゃない。そうしたら凄くカワイイ小熊のグッズのコレクションが出てきて、親父、こういう趣味が…、かわいかったんだなって。
宇多田:でも親のことって、よくそうやって亡くなったあとに初めて知ることがいっぱいでてきて、ぜんぜん親のこと知らなかったんだってことがあるって聞くんですけど、やっぱ生きてるうちにできるだけ知っておきたいですよね。
クリス:そうですね。
宇多田:意外に大事な話しをしなかったりするじゃないですか。身近すぎてお互いにすごく知ってるから。
クリス:うん。
宇多田:知ってると思ってるから。
クリス:うん。
宇多田:でも意外と知らないこととか勘違いしていることとかが多いなぁって。それも人間活動中の課題でもあります。
クリス:なるほどね。じゃあ親とのコミュニケーションをね。
宇多田:そうですね。特にお父さんとは今いっしょに仕事しているから、仕事の時しかほとんど会わないし、そういうのもちょっと変えたいなぁと思って。
クリス:なるほどね。

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宇多田ヒカルさん ゲスト出演時の映像【前半】
宇多田ヒカルさん ゲスト出演時の映像【後半】



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