STORY
登山家、山岳カメラマンの平出和也さん
++ Introduction ++
※コロナウイルスの感染拡大予防のためリモート出演頂きました。
世界第二位の標高8611メートルの山、
「K2」への登山を計画されている平出和也さん。
これまで多くの山に挑戦してきましたが、
K2は自分をさらに成長させてくれる存在と考えているとか。
今回、誰も登ったことのない
未踏のルートでの登頂に向けて準備を続けているそうで、
平出さんの中ではK2登山は始まっているとのこと。
『私にとって登山はベースキャンプから
歩き出したところからではなくて、
「登りたいな」「あの頂に立つには何が必要なのかな」と
その山に想いを馳せている時間、考え始めた時から
僕にとってすでにK2登山は始まっています』。
季節を問わず数々の山を制覇してきた中で感じる
冬山の魅力は・・・
「どこにでも足跡を残すことができること」。
『夏は草木があって歩けないような場所がありますが、
雪が2メートルや3メートル降り積もって
そういう草木を隠してくれれば一面真っ白になり、
好きなところを歩けますよね。
じゃあ、そこに自分の足跡をどう残すのか、
どういう風に登ろうかというのは自分次第。
だからこそ自分に嘘をつけない。
いくらでも安易なルートから登ることは可能ですけど、
終わった時に自分に帰ってくるものですから
より試練があればあるほど成長できると思っているので、
可能な限り、より困難な道を選ぶというのは決めていますね』。
++ Until now ++
高校時代から競歩の選手として活躍し、
大学2年生の時に山岳部に入って登山を始めました。
『僕は競技場ではすごく強い選手だったのですが、
自然の中で父親の農業を手伝うと
ぬかるんでいる田んぼに四苦八苦しているのに、
父親はいとも簡単に歩いたりしていて…。
自然の中で生きる強さみたいなものを
競技場では学んでこなかったことに気づいた時に
自然とは生身の人間として対しなければいけないし、
そこでこそ本当の強さというものが求められるので
強い人間になりたいと思ったのがきっかけですね』。
登山家としてのタイーニングポイントは
パートナーの谷口けいさんとの出会いと彼女の事故死。
深い悲しみと、登山家としての自信もなくなっていた時に
現在のパートナーである中島健朗さんと出会い、
谷口さんと挑戦し、断念していたシスパーレの頂に立ち
前へ進もうと決断。
4度目のチャンレンジで見事に成功しました。
『初めてシスパーレを見上げてから15年経っていて、
3度失敗したという経験もありますけど
15年間ずっと夢に描いていた頂に立った時に
もっと自分自身が高ぶるのかなと思ったら意外と冷静で、
良い意味で谷口けいさんを忘れることができるな。
やっと第二の登山人生を始められるなというので
少しリセットされた感じがありましたね』。
++ Right now ++
最近は水泳にハマっているそうで、
登山に行く前や下山した後にリセットできる場所として
水中にいるのは大切な時間になっているそうです。
『水の中も8000メートルのヒマラヤの世界と同じで
音がなく非常に静かな場所ですから
下山したら携帯電話にいろいろな連絡が溜まっていて
現実に引き戻されますけど、
そういうものも手放してプールに入ると
あの登山で私はどんなことを学んできたのかなとか、
これから向かう山に本当に行きたいと思っているのかなとかを
自問自答する、自分と向き合う時間としてありますね』。
プライベートではDIYにもハマっていて
これまでに滑り台やデッキなどを作られたそうです。
『自分の範疇を超えた大きさのものを作ってみたいと
去年初めて思いまして、
始めてみたら大きいものも意外と作ることができて、
敷居が高いと思っていたこともやってみたら
意外と手が届くということに気付かされましたね』。
++ From now on ++
登山家として目の前の目標はK2への挑戦ですが、
山岳カメラマンとしては・・・
『エベレストを最高齢で到達した三浦雄一郎さんを
間近で見て撮影させてもらったのですが、
僕にとっては生涯現役でいる冒険家というのが
非常に多くのことを学ぶチャンスだと思っています。
なぜその人が厳しい自然の中で果敢に冒険して、
それでも帰って来られたのかということを
背中を見て学ぶことができるので、
そういうことができる人を撮っていきたいし
学んでいきたいなと』。
登山家として山岳カメラマンとして
生涯現役でいたいという気持ちと同時に、
これまでに命を救っていただいた経験から
命を大切にして生き抜くことが使命だと感じているそう。
これからも自分に正直にやりたい登山を
妥協することなく果敢に挑戦していきたいとのこと。
最後にこれまでの経験から
自分と向き合うことが大切だと話ししてくださいました。
『昔から自分にしかできないことをやりたいと言ってきましたが、
よく考えるとそれは人と比べているということで、
自分だからこそできることをしたいのだと改めて気づいたんです。
人と競うことなく自分と向き合いながら挑戦していくことが
大事なんだなと。
今は競争社会ですが、最後に対峙するのは自分自身なのかな。
遠くて到達するのが不可能な場所と自分の中で思っていても
コツコツやることができればいつかは到達できなくても
近くには行けるのかなと思えるようになりました』。
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