J-WAVE 81.3 FM
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STORY

2020.08.29

IT批評家の尾原和啓さん

++ Introduction ++

※コロナウイルスの感染拡大予防のためリモート出演頂きました。

IT批評家とフューチャリストはある意味で同義であり、
インターネットやテクノロジーが未来の当たり前を創るという時に、
その“10年後の当たり前”を今、分かりやすく説明する人とのこと。
また、シンガポールを拠点に世界中のリゾート地を転々として働く
リゾートワーカーというスタイルを実践されていています。

『コロナ前は年間80フライトくらい乗っていました。
リモートで仕事ができる時代は5年くらい前から来ていて、
混んだ所よりもリゾート地で働いたほうが
クリエイティビティが湧きますよね。
ただ同じ場所ばかりに行くと飽きてしまう部分があるので
一ヶ所で3週間くらい仕事をして次の場所に行くといったように
リゾート地を周りながら仕事をする人のことを
リゾートワーカーと呼んで、
実際に海外ではこういった方が多いんですよ』。

多くの人はコロナ禍によってリモートを始めた状況ですが、
尾原さんは以前、Googleで働いていた時の上司がシンガポール人で
日本のチームは一人だけだったことから
リモートが仕事のベースになり、
8年くらい前から継続しているということです。

コロナ禍で一般的になったリモートワークですが
難しいと感じている方も多いはず・・・。
尾原さんにコツを伺ったところ、ポイントは2つ。

●ジャズ型にモードを切り替える

『山口周さんとの共著で「仮想空間シフト」という本を書きましたが
その中でオーケストラ型から
ジャズ型に仕事を変えようと表現しています。
オーケストラは演奏日に向けて定期的にみんなで集まって練習会で
ハーモニーを作り上げるのがリアルな仕事のやり方だとすると、
ジャズは街角でも何処でも乗りがあったら直ぐに始まって
そこにヴァイブスを感じる人たちが乗っかってきて、
そのアドリブ、インプロビゼーションで
セッションができあがっていく。
このジャズ型に仕事のモードを
切り替えていくことが大事だということです』。

●雑談は雑談として別に時間を取る

『ミーティングという形になると
目的以外のことを喋れないところがあるので
普段話せなかったことを話してみようという雑談タイムを設けたり、
1対1で目的を決めない
ミーティングをする時間をもつことが大事だと思います。
課題がある時はアドリブで15分くらいで直ぐにやってしまって、
目的が無いミーティングこそ
時間を決めて集まってダラダラと話をしたり、
週一回30分でもいいから上司とメンバーで何となく今感じているズレを
話し合うといったことをやったほうが実は良いということですね』。

リモート時代になったことで会社や肩書きに縛られない
別の自分を育んでいる人が増えてきたと話す尾原さん。
コロナ禍で10年後、20年後の価値観が前倒しになったことで
現在はリアルでの生き方しかしてこなかった40〜50代の層が
戸惑いを感じている時代に変化しているということです。

『自分が何をやりたいのかというところから
人が繋がり易くなっていくのが面白いと思うんですね。
自分で自分の時間を作れる人はより自由になって行くし、
他人の時間に支配されてきた人たちは逆にどうすればいいんだろう
と感じて寂しくなってしまうと思いますね』。


++ Until now ++

キャリアのスタートはマッキンゼーでのコンサルト業務で、
その後はドコモ、リクルート、Google、楽天など様々な企業で働き
経産省の委員などを経て、現在の仕事は14職目。
その時々の時代の変わり目を先取りするプロジェクトに出会って、
そこに入って来たということです。

『基本的に僕は常に転職活動しているんですよ。
常に3年後に当たり前になることは何だろうと考えていて、
その中心地に来るであろうと思う会社と話をさせていただいて…。
今はアジアのバイオ系の会社が
人工知能を使っての進化が非常に早いので
「日本の製造業は提携したいと思っていますよ」と話して親しくなって、
転職はしないけど一緒にプロジェクトを進めるといったことを
ずっと続けている感じです』。

常に未来のことを先読みして行動する尾原さんに
10年後、世の中はどう変化しているのか伺ったところ・・・

『確実に言えることは言葉の壁が無くなっています。
今でも英語の文章を翻訳することは人工知能でできますけど、
10年後には喋っている言葉がそのままリアルタイムで
自然な言葉とトーンで英語や中国語になったりするから
中国の人と日本人でお互いに言葉が分からなくても
普通に会話できる…。
その時に仕事がどのように変わっていくのかを
考えるのは好きですね』。

++ Right now ++

趣味は、サルサダンス。
20年ほど前、ベンチャー企業で取締役を務めて
多忙な日々を送っていた時期に短時間で全く別の世界を味わいたい
という思いから始めたそう。

『踊りはものすごい没入できるんですよね。
たった3分の音楽の中でペアの方と一緒に踊って、
周りでお酒を呑んでいる人たちも巻き込んで
どうやってみんなで楽しむか
ということに没頭できるというのが元々のきっかけですね』。

今、ダンスができない中で注目しているのはアフリカのベンチャーで、
コンテストで優勝した企業や面識のない登壇者に
リモートでコンタクトを取って
アドバイスなどをされているとか。
コロナ禍で先方も刺激を欲していて
リモートで短時間でということであれば
意外と話を聞いてもらえるそうで、
むしろビジネスチャンスが増えているとか。



++ From now on ++

「あえて数字からおりる働き方 個人がつながる時代の生存戦略」
「ネットビジネス進化論 何が「成功」をもたらすのか」
「仮想空間シフト」といった著書が
ここ2〜3ヶ月の間に刊行されています。

また、共著「アフターデジタル オフラインのない世界に生き残る」の中で
“これからの社会はデジタルとリアルが並ぶのではなく、
デジタルの中にリアルがある“と表現していることについて・・・

『リアルをデジタルが常に包んでくれると
生活の全てが変わるということです。
これは既に起こっている現実がもっと凄くなるという話で、
例えば待ち合わせの時にはLINEで互いの居場所の情報を交換したり
外食する時にGoogleマップや食べログを見て動いていますよね。
これはリアルにいるようで
実は全ての接点はデジタル上で動いているわけで、
これがもっともっと凄くなるということなんですね』。

デジタルはラジオの未来にも変化をもたらす?!

『ラジオは居場所だと思っています。
最後に人間に残るのは退屈と孤独であって、
深夜に一人で勉強している時に取り残された感ってあるじゃないですか。
ラジオ番組にハガキ職人としてお便りを出すと
「いつも見知った人が取り上げられているじゃん。俺も出そう」
といった感じで仲間もこの時間に一緒に歩いてくれているという感覚を
得られるのがラジオのいいところだと思っていて…
そこに自動翻訳が入ると
同じ世界を見ている人が繋がれるようになるわけです。
例えば鉄道ファンだけが繋がる番組があるかもしれないし、
社会問題を憂いてる人たちが集まる番組も
出来るかもしれないと思います』。

フューチャリスト尾原さんの思い描く未来とは・・・

『ネットで繋がることで
誰もが自分の夢を紡ぎやすくすることを加速したいので
僕みたいに未来の当たり前を語る人を
もっと増やしたいと思っていて、
フューチャリストが次々と生まれる場を作ることが今の夢ですね。

ON AIR LIST

  • DONTCHA / THE INTERNET
  • HAPPY UP HERE / ROYKSOPP
  • NO ME AMES / JENNIFER LOPEZ, MARC ANTHONY
  • SLEEPING ON MY DREAMS / JACOB COLLIER

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