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STORY

2020.08.08

作家で料理家の樋口直哉さん

++ Introduction ++

※コロナウイルスの感染拡大予防のためリモート出演頂きました。

フレンチシェフや出張料理人の仕事と並行して書いた小説で
「群像新人文学賞」を受賞し小説家としてデビューされた樋口さん。

『僕は料理が好きな人に情報を発信していますが、
料理は上達する時は楽しいけど慣れてくると無くなっていくんですよね。
その作業の意味を書いて原理を教えてあげると楽しくなるんじゃないかな』。

著書「新しい料理の教科書」で紹介しているハンバーグのレシピ・・・

『玉ねぎを生のまま入れるとさっぱりして、
炒めてから入れると甘みとコクが出るんですね。
良い悪いではなくて、どちらでも良いんだよと提示してあげると
料理が自由になるというか… 伝統的なやり方には一理ありますが、
食材の変化が大きな理由で常識が変わったというのはありますね。
今の時代に合った料理が常に考えられるべきだと思います』。



++ Until now ++

読書好きで中学生の時、たまたま家にあった辻静雄さんの本を読んで
料理の歴史や文化的背景が面白いと思ったことがきっかけで興味を持ち、
専門学校で料理を学び・・・

『レストランに入った時の衝撃が大きくて、
料理は出来上がったものではなくて掃除したり材料を仕入れたり
という仕込みで8〜9割が決まってしまう世界。
そういったことは衝撃でしたね』。

ご自身の店で腕を振るう中で始めたのが執筆。

『僕は安部公房が好きで以前から読んでいたんですよ。
ある日、突然に彼の作品からインスパイアされてイメージが浮かんで、
これは小説になると思って書いた作品が新人賞を取ったという経緯なので、
作家としてやっていくぞという感じでは無かったです』。

群像の新人文学賞を受賞して感じたことについて樋口さんは・・・

『料理も小説も理論的な感覚という意味では全く同じだと思います。
違いは安部公房も言っていますが…
あらゆるものは空間芸術と時間外術に分けられて、
空間芸術の頂点は建築で時間芸術の頂点は音楽なんですよ。
小説はその中間で料理も時間芸術に近くて食べたら無くなってしまう
というアウトプットの違いはあるんですけど、思考回路としては同じですよ』。

++ Right now ++

無趣味と言いながらもサウナ巡りに面白さを感じていらっしゃるとのこと。

『サウナは面白いですよね。
いろいろな地方に行くと水風呂に入った時に水の硬度によって
肌との当たりが違うので面白いと思っていています。
日本の水は基本的に軟水ですが、サウナの聖地と言われる
静岡の「しきじ」という所の水は硬水に近いんですよ。
僕はそこで最初にサウナにハマったんですけど、水が明らかに硬い。
その水に入るとすごく気持ちがいいという…
そもそも、硬水と軟水はジェームズ・ワットが蒸気機関車を造った時の
カルシウムとマグネシウムの比率の基準なので
実際には明確に区別できるものではないんですけど、地域性があって、
料理に向いている水もあればサウナに向いている水もあるんだなという』。

樋口さんによればパスタを茹でる時に硬水を使うと
小麦の味が強く出るとか。



++ From now on ++

作家としては現在、北大路魯山人をモデルにした小説を執筆中で
年内中にはシュパンを目指しているとのこと。

料理家として手がけているのがオリジナルソースの製作。

『日本人が考えるソースは中濃とウスターじゃないですか。
ノスタルジーがあってすごく好きですけど…
味の印象が少し足りない料理にかけてというのが多くて、
それが残念で、今の肉や魚に合った新しいソースを作れないかなと。
フランス料理のテクニックを入れながら作りたいと思っています』。

ON AIR LIST

  • SOMETHIN’STUPID / ROBBIE WILLIAMS, NICOLE KIDMAN
  • CHASING PIRATES / NORAH JONES
  • SAVE YOUR SOUL / JAMIE CULLUM
  • END GAME / TAYLOR SWIFT FEAT. ED SHEERAN, FUTURE

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