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STORY

2020.07.25

俳優で演出家の吉原光夫さん

++ Introduction ++

初めてのドラマ出演となった、NHK朝の連続小説『エール』。
新たな挑戦について…

『テレビドラマは厳しくて一言一句を間違えてはいけないとか
すごく整った場所かなというイメージがあって眠れなくて、
台本をめくって丸とか点の数まで覚えて現場に行ったんですけど…
実際には「どう思いますか?」「ここは言葉を変えましょう」とか
その場でフレキシブルに変えて行ったりして、
ある意味で舞台とちょっと近いような感じもあって
僕は全然緊張せずにできましたね』。

映画好きでカメラでしか表現できない映像の世界観に興味があるという
吉原さんはこれまでに2本の映画に出演しています。

『演劇は全員の共同作業が舞台上に乗る感じがしますが、
映画は監督の采配で全てが動いているような気がしていて…
その手のひらの中に自分が存在することに興味があるのかなと思うと、
未だドラマはどういう世界か分からないですけど行ってみたいです』。

演出家の稲葉賀恵さんとの新たな朗読のプロジェクト
「ささやかなことばの展覧会」も進行しています。

『これは超マニアックで誰が観るんだという感じですけど…
今の状況であれば自分たちが望んでいる演劇は無理だけれど、
この時間と場所を使って今まで興味があったけどやらなかったものに
近づいてみるのはいいと思いました。
演出家を立ててディレクションされながら日本の詩人や作家の本を読む。
それにコラボレーションして絵や歌を乗せて昔の作品を蘇らせて、
現代に息を吹き返す感じで配信するのは面白いねとなりました』。

「ささやかなことばの展覧会」はYouTubeとVimeoで配信されています。



++ Until now ++

バスケットボールの体育推薦で高校に進学したものの
大学のセレクションに落ちて初めての挫折を感じたという吉原さんは
八王子にある演劇の専門学校に入学。
その理由は、演劇はラクそうで立地や環境が良かったから。

『オリエンテーションの授業に全くついて行けなくて
入学から3〜4日目に退学を決意しました。
勝手に退学届けを書いて親の判子を盗んで押して持って行ったんですけど、
最後に受けた授業が元劇団四季の先生の授業で観させられた
「ジーザス・クライスト・スーパースター」に魅せられました』。

日本で「ジーザス・クライスト・スーパースター」を演っているのは
劇団四季だけと知ってからは先生のプロジェクトに関われるよう
真面目に通学してアグレッシブに行動し、
卒業後は念願の劇団四季に入団。

『研究生で入って一年後には半分が落とされたんですけど
僕の年代で歌やコーラスラインのダンスが上手い人は「ライオンキング」で
残った何もできない人が「ジーザス・クライスト・スーパースター」。
研究生の時だけでそれ以降はキャスティングされませんでしたが、
結局は運を待つよりも自分で出会って行きましたね。
今は亡くなった僕の恩師である浅利慶太さんが稽古場から出てくる時に
ちょうど会うように自分で仕掛けて会って…
“今は何をやっているんだ?”と言われたので
“中でジーザスを演っているので外で聴いていました”と答えると、
“入れ”と言われてキャスティングしてもらったりしていましたね』。

劇団四季を退団した吉原さんは2011年に
「レ・ミゼラブル」のオーディションに合格して
最年少でジャン・バルジャン役に抜擢され、
これまでに5回演じています。

『僕が聖人を演じること自体が違うような気がしていて、
ジャン・バルジャンはジョン・ケアードさんが旧演出されている時には
聖人像がしっかりありましたが、
新しい演出では、泥にまみれた犬というイメージで書かれ、
ラッキーと思いました。
僕は演技している時に自分を使うことを大事にしていて…
正しくなろうと最後まであがいた人なんじゃないかなと思うと、
自分は訳がわからないことばかりやって来たし
今でもジャン・バルジャンみたいにキレそうになる瞬間があったりして、
自分の中で葛藤していて人間らしい人なんじゃないかなと思うと
演じられるかなと思っています。
劇団四季を辞めて漠然に演じるとは何だろう?と考えた時に
新国立劇場で芸術監督を担当している小川絵梨子さんに全てを教わって、
一緒に作ってきたものを今でも演っている感じですかね』。

++ Right now ++

「レ・ミゼラブル」が終わったタイミングから育児休暇で
仕事をセーブしていた中で新型コロナウイルスによる自粛期間に。
昨年生まれたお子さんについて・・・

『可愛いですね〜。
朝起きたら日に日にどんどん大きくなる感じにびっくりして
演劇ができないことや悲しいニュースに一喜一憂してしまいますが、
自分の子供を見るとナチュラルに生きている感じで自分が律せられて、
お父さんが間違っていたねという感じですごく落ち着きますね。
起伏や感情の出し方は役者として勉強になるなと思います』。



++ From now on ++

コロナ禍で先が読めない日々の中での今後について・・・

『9月にブロードウェイ・ミュージカル・ライブが予定されています。
ブロードウェイ・ミュージカルの楽曲を僕なりにイメージを合わせて
並べて皆さんに歌い繋いでいってもらうという感じで、
振り付けに元劇団四季の加藤敬二さん入っていただいて、
音楽は大嶋吾郎さんに作曲やアレンジをしてもらってという感じで
ダイナミックになると思います』。

自身が主宰するArtist Company「響人」も含めて今後の活動については・・・

『今はプロジェクトのリーダーとして自分がいるだけで
あとは客演を呼んでやっているカンパニーなので、
自分のスケジュールを縫った中で新しい世界に出会えたらやりたいです。
18歳から目指してきたことで、舞台は染み付いて刻まれているので、
それがベースだと思っていますから表現の仕方は変えることなく
映像でも声優の仕事でも受け入れてもらえればどんどんやって行って、
自分の表現のプラスにして行きたいと思います』。

最後に「レ・ミゼラブル」の大ファンの市川に
カラオケに行った際、ジャンバルジャンをうまく歌うコツについて
吉原さんは
「囚人の歌」は鎖に繋がれている気持ちになって、
ジャベールの歌は誰かを足で踏みつけるイメージで
グリグリ歌うといいとお話くださいました。

ON AIR LIST

  • DANCING WITH A STRANGER / SAM SMITH,NORMANI
  • INSIDE FRIEND / LEON BRIDGES FEAT. JOHN MAYER
  • 世界の終わり / MICHELLE GUN ELEPHANT
  • OVER THE RAINBOW / MELODY GARDOT

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