J-WAVE 81.3 FM
SATURDAY 21:00 - 21:54

STORY

2020.06.13

指揮者の原田慶太楼さん

++ Introduction ++

※コロナウイルスの感染拡大予防のためリモート出演頂きました。

コロナ禍によりアメリカとヨーロッパの仕事が全てキャンセルになり
東京の自宅で暮らしているということで、
一つのロケーションにこれだけ長く滞在するのは10数年ぶりとか。

こういう状況だからこそ指揮者としてではなく他のアクティビティで
自身のパーソナリティを出せる空間を作りたいという思いから
今はオンラインで精力的に活動されています。

『ライブ配信ならではの発見がありますね。
僕がやっている新しい企画
「MUSIC TODAY」はYoutubeとFacebookで
同時に配信してお客さまが
ゲストアーティストと一緒に動画を観ながら
コメントしたり会話をするのですが、
自分の演奏を観ながらお客さんと会話するのは人生で初だと思います。
この時期だからこそできることで、他に誰もやっていないというのは
早いもの勝ちだったかなと思っています』。

2020年シーズンから音楽&芸術監督に就任した
米ジョージア州を本拠とする「サヴァンナ・フィルハーモニック」は
アメリカの観光スポットとしてトップ3に入るくらい多くの観光客が
訪れるというビーチタウンのサヴァンナで結成されて
今年で11年目という若いオーケストラです。

アトランタから南に4〜5時間ほど行ったところにあるサヴァンナは
アメリカの歴史上で唯一、戦争で町が崩壊されなかったことから
“アメリカのクリスマス・プレゼント”とも呼ばれているとか。

毎回、発売から数日でチケットが完売して入手困難となっている
「The MUSIC OF JOHN WILLIAMS:STAR WARS AND BEYOND」。
8月に延期公演を控えていますが、企画も担当した原田さんによれば・・・

『ボストン交響楽団が毎年夏に行っている「タングルウッド音楽祭」で
僕が2010年に「小澤征爾フェロー賞」をいただいた時に
ボストン・ポップスの指揮者がジョン・ウィリアムズで、
その時に彼と長い時間を過ごしたのが出会いです。
その後はジョンからいろいろな仕事の依頼が来るようになって、
彼が客演をする時に先に現地に行ってリハーサルをして、
本番はジョンがタクトを振るというパターンを僕とやっていました。
その最初の仕事がアリゾナのフェニックス・シンフォニーでしたが
実はマエストロ・ジョン・ウィリアムズが振って、
司会がスティーヴン・スピルバーグで楽屋はスティーヴンとジョンと
僕の3人で、それがきっかけで
ジョンにいろいろ頼まれるようになりました。

世界中で映画コンサートが流行っていて、
僕はジョンが推薦する指揮者の一人なので彼の手書きのメモが入っている
楽譜を見てジョンのやり方全てがDNAに染み付いていて、
これは日本で活かさないといけないなと思って…
「The MUSIC OF JOHN WILLIAMS:STAR WARS AND BEYOND」
というコンサートを企画して、これが本当に大成功しているんですよ』。



++ Until now ++

東京のインターナショナルスクールに通っている時に
「ウェスト・サイド・ストーリー」「シカゴ」「オクラホマ」などの
ミュージカルで演ったことが音楽と触れ合う第一のきっかけで、
将来はミュージカルに関わる仕事に就きたいと思ったとか。

『歌は下手で踊りもあまり上手ではないので、
ミュージカルの世界に入り込めるのは楽器かなと思って
サキソフォンから始めていろいろな楽器を手にしました。
高校2年の時にアメリカの「インターロッケン」という音楽学校に入って、
ブロードウェイ・ミュージカルのミュージシャンになろうと思っていたら
たまたま吹奏楽の指揮者がフレデリック・フェネルさんで、
彼の魔法にかかったと思うけど指揮者は魅力的で格好いいなとなって、
指揮者になりたいとアプローチしてレッスンを初めたのがきっかけです。
当時、すでに高齢だったので多分僕はフェネルさんの一番最後の弟子かな。
それで指揮者を目指すようになりました。17、18歳の頃ですよね』。

クラシック音楽の場合、指揮者によって曲の解釈が異なることについて
原田さんは・・・

『指揮者はワインと一緒だと思います。
熟せば熟すほど良くなるパターンもあれば悪くなるパターンもあるので
指揮者は自分に本当に正直でなければいけないと思っていて、
それは何故かと言うと指揮者が曲を書いたわけではないですからね。
その作曲家が書いた楽譜を、その作曲家の魂=ミューズを
素直に音楽家たちに伝えるのが指揮者の役目なのね。
例えば同じ曲を20歳の時と35歳の今振ったのでは全然違うのは
その15年間の人生経験があったからこそ人間としての味が出てきて
同じ音楽でも向き合う形や視線が変わってくるから
二人の指揮者が同じ曲を演ったとしても全然違うのは人間が違うから』。

++ Right now ++

今、自宅で過ごす時間にやっているのは料理。

『ワイフのお母さまが中華料理のシェフ、料理研究家で
サロン形式で料理のレッスンを自宅でやっているので、
日本に帰って来るといつも美味しい中華料理を食べられるんです。
で、どうしても自分でも作りたくなって教えてもらっています。
Stay Homeでワイフと時間を過ごすことが増えたので
一緒にいろいろな料理を作っています。
最近はアガーにハマっていてワイフのインスタグラムに載せたり、
ピザを生地から作るのが好きでやっています』。

2週間の完全なオフタイムを過ごせるとしたら行きたい場所は・・・

『電波が無いところ。
携帯電話やパソコンを持って行かないでメールも入って来ない2週間…
だから場所はどこでもいいのかもしれない。
あとは僕にとって自然が一番美しい音楽だと思うので
鳥や風が樹に当たる音とかを聞けるのが幸せ。
東京の雑音から開放されて本当に自分の耳が自然の音を
素直に取れるような所は心にとってすごく大事だと思います』。



++ From now on ++

音楽家としての目標について・・・

『やはり自分が日本人であるというアイデンティティを
大切にしなければいけないと思っています。
日本にも素晴らしい作曲家がたくさんいるので、
彼らの作品が世界で演奏されるためには指揮者がプッシュしなければ
いけないですし、僕は日本で生まれて育ったからこそ
自分の人生の課題だと思います。
世界に日本の素晴らしい作曲家たちを知ってもらう、演奏してもらう。
僕の演奏が素晴らしくなければ海外の人たちに伝わらないので、
本当に自分も勉強をして届けて行きたいと思っています。

そして、クラシックだけでなく音楽というものは生で演奏することが
素晴らしいということを皆さんに分かってもらいたい。
生で演奏を聴く時にミューズが発信してくれるエネルギーを
生の肌で感じるのは人生において
とても大切な時間であり経験だと思うので、
僕が演っているオペラやオーケストラのコンサートに行きたいなと
思ってもらえるようなパーソナリティになりたいです』。

ON AIR LIST

  • BLACKBIRD / RAUL MIDON
  • STAR WARS MAIN THEME / JOHN WILLIAMS
  • CHE GELIDA MANINA(冷たい手を ?歌劇《ラ・ボエーム》より-)/ LUCIANO PAVAROTTI
  • CAN’T HELP IT / ESPERANZA SPALDING

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