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STORY

2020.05.30

プロダクトデザイナーの鈴木啓太さん

++ Introduction ++

※コロナウイルスの感染拡大予防のためリモート出演頂きました。

鈴木さんがデザインを手がけるジャンルは幅広く、
お皿やグラスなどの日用品、スマートフォンやデジカメなどの電化製品、
文房具、照明器具、家具といった物から鉄道車両まで多岐にわたり、
さらに最近では神戸市の公立中学校の給食容器をデザインされました。

『これまでの給食容器は素材と色が全て同じで、
事務的な印象を受けるところがありました。
今の子供たちは好みが様々なので自分で好きな色の容器を選べる
というのは面白いかなと思います。
公共でもローカリティや独自性が求められる時代になっていて、
僕がデザインした給食容器も蓋の部分に神戸のいろいろなモチーフが
描かれていて、使うことで地域のことを知って楽しめるという
新しいあり方かなと思っています』。

新型コロナウイルスの感染拡大で混乱する中、
鈴木さんは全国のものづくりをしている小さな工房の職人さんに
呼びかけて「ワン フラワーウェア」というプロジェクトを立ち上げました。

『僕は一週間に1回、オフィスでお花を生けてもらっているのですが
仕事がリモートになって打ち合わせも無くなったりしたので
オフィスを一時閉鎖しようと思った最後の日に先生に生けてもらったのが
とても立派で美しい桜の枝でした。
仕事の変化もあって先が見えない不安な気持ちで過ごしていた時に
その花を見て植物から元気をもらうこともあると思いました。
室内で過ごすことが多くなる中で季節を感じて楽しんで暮らせたらいいな
と思って花瓶を作ろうと思い付きました。

そんな時にSNSを見ていたら花を生け始めたので花瓶が欲しいという
植物に関する投稿が増えたと感じて…
同時に全国の小さなものづくりをする人たちの苦境が聞えてきました。
そこで職人さんたちにお願いして一緒に花瓶を作ったら
作り手と使い手の両方を支え合うことができると思い、
このプロジェクトを始めました』。

花瓶は陶器、磁器、ガラス、木などいろいろな素材で作られ、
それぞれの魅力も同時に味わってほしいという思いから
形は全て球体にしたということです。

予想しなかった苦難が世界に降りかかる中、今後のデザインについて・・・

『今までとは全く違う暮らし方、働き方をしなければいけない状態に
なっているので、全てのものを更新する必要があると思います。
今回の影響でデザイナーは二つの方向に動いています。
まずは医療現場など社会的に必要なものを発明しようという動きです。
プロダクトデザインの場合は形や色など情緒的な要素もありますが、
構造や流通の部分にまで影響されて作っていく場合が多いので
デザイナーの知見を活かしたものも考えられるかなと。
そしてもう一つは情緒的なケアで、単純にそのものがあって綺麗だなとか
気持ちいいなと思うことは結構大事だと思うので、
快適とか心地いいものがどんどん求められるだろうと思います』。



++ Until now ++

2017年の創立100周年に合わせて相模鉄道が実施した
相鉄デザインブランドアッププロジェクトにおいて
鈴木さんは車両パートのプロダクトデザイナーとして参加されました。

『自分の活動の中で最も難しくて面白いプロジェクトでした。
経験が無い中でどのように電車車両をデザインするかを考えた時に、
都市部の通勤車両として安心、安全、清潔というスペックが必要だと思い
それを先ずは“つり革”で表現してみようと考えました。
ブランドアップして今よりもいい鉄道車両をつくっていく中で
つり革の存在感はとても大事だと思ったんですね。
あとは自分の今までのデザインの仕方というのは細かいところまで
チマチマと設計したりすることをやっていたので、
つり革であれば自分の領域でいいものができると信じました。
握っていただけば今までとは何かが違うと感じていただけると思います』。

“横浜らしさ”を大切にしたプロジェクトだったことから
車両の色は、横浜ネイビーブルー。

『最初の会議で鉄道車両は20年間使わなければいけないと聞きました。
価値が20年継続するものをデザインして欲しいと言われたのは初めてで、
そうなると色は普遍的な魅力を形成していく意味で重要だと思い、
ネイビーにはその魅力があると考えていたのでデザインしました』。

++ Right now ++

デザインに目覚めたのはお祖父さまの影響で好きになった言碑。
歴史を超えて残っているもの中には今見てもハッとしたり
共感するものがたくさんあり、収集することで学んでいるとのこと。

『物の歴史は進化の歴史だと思っているので本当に大事にしています。
人類が初めて作ったナイフは岩の塊を削り出した物でしたが
それが今はコンビニでも買えるハサミになっているわけじゃないですか。
そういう物の歴史を考証すると人が脈々と工夫し続けてきたというのが
見えてきて、それがとても面白いんですね。
僕もデザインする時に今自分で作っている物が過去の歴史と繋がっていて、
それが未来に繋がっていくということを凄く大切にしています。
自分が作った物がいつまでも社会に残ることは夢ですけど、
後世の人たちがそれをブラッシュアップして改変して繋げてもらえたら
とても嬉しいですね。
長い歴史の中の“一つの点”だということが僕は好きです』。




++ From now on ++

デザインを手掛けたいと思っていたのは電車、船、飛行機。
基本的には個人所有ではなく公共性が高い乗り物に興味があり、
みんなが使うものを良くしたいという思いが強いとか。
電車は夢が叶ったので船と飛行機をデザインしたいということです。

『いいデザインはその時代においての最適化になっていて、
時代が変われば定義やスタンダードは更新されて行くと思います。
以前よりも自分の家や空間を心地よくして気持ちよく過ごしたいという
思いが高まっているから新しいデザインが求められるんだろうなと。
これから本当にそれを作らなければいけないと思っています。

今までの“日本らしさ”は簡単に言えば機能的なものだったと思いますが、
僕が注目しているのは日本ならではの素材や季節感みたいなものを
デザインに落とし込んでいくということです。
江戸時代は季節を取り入れたデザインがたくさんありましたが
今は機能を追うためにシンプルになって行く時代だと思うんです。
もう一度、そういったエモーショナルな魅力をデザイナーとして探して
世の中に見せて行きたいと思っています』。

デザインを離れて思い描く夢は、私設合唱団。

『ものづくりはみんなの叡智を結集させて知識を交換して作るものであり
僕は昔からみんなでひとつの形を作り上げる合唱が大好きなので、
いつか私設合唱団を作りたいなと、それが夢です』。

ON AIR LIST

  • GOOD GUYS / LANY
  • A DESIGN FOR LIFE / MANIC STREET PREACHERS
  • WHAT’S GOING ON / MARVIN GAYE
  • BEAUTIFUL / RHYE

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