STORY
ビジュアルデザインスタジオ「WOW」の代表、高橋裕士さん
++ Introduction ++
高橋さんの出身地である仙台で1997年に創業した「WOW」は
当初、テレビを中心に広告やCMの映像を制作していましたが、
最近はインスタレーションによる空間演出から建築まで
パーマネントで入るような映像表現、アニメーション表現の
企画・制作・演出を手がけています。
役職は代表取締役で、エグゼクティブ・プロデューサーとして
社内でレギュラーと言われる案件をなるべく抑える状況を作り、
デザイナーである働き手が常に面白い会社だと思ってもらえるように
心がけているとか。
『面白いと感じる基準は自由度であったり、求められ具合というか。
自分たちが興味あるところをクライアントに求められると
それはモチベーションが上がりますが、逆に難しいんですよ。
台本が無いフラットな状況で自由にやってくださいという中で
クライアントの未来はこうあるべきみたいなブランド像に
アニメーションという概念の中で新しい生命を吹き込んでいく感じです』。
新たなプロジェクトを立ち上げる際に立場やキャリアに関係無く
社内スタッフとフラットにディスカッションを進める中で
良い表現やアイディアが積み上がって、“あ、抜けるかも”と思った時に
楽しみを感じるということです。
『長い間やり続けてきたことで素敵だと感じる“再会”がありますよね。
結局、自分はプロデュースという何もできない職種ではありますが、
それを見つけていく、深掘りしていくことが自分の仕事なので
そこは大切にしています』。
++ Until now ++
江戸時代から代々続く刀匠、刀鍛冶の家庭に生まれ、
子供の頃から刀を求めて鎧、槍、忍者好きから伊達家の殿様まで
自宅を訪れるお客さまのおもてなしや仕事を手伝って育ったとのこと。
6歳上のお兄さまが22歳で実家の10代目を継いだことから
家業以外の道を模索していたところで出会ったのが、
現在、「WOW」の副社長を務める鹿野護さんでした。
『彼は本当に素晴らしくて素敵な人で、
出会った当時はピクサーのCGアニメーションがとても華やいでいて、
年々の技術革新によるCGの新しい表現を見せてもらう中で
彼がやりたいことを二人三脚で始めたのが会社を立ち上げたきっかけです。
私たちはデジタルで作業するノンリニア世代の真っ只中だったので
何でも一人で出来るとも言えますが、今振り返ってみると結局は
良い出会いがなければ何事も生まれないんだなと思います』。
++ Right now ++
イタリア北部のバッサーノ地区で年に一回開催されている
自動車レースに参戦することがリフレッシュ法ということで、
毎年、友人がミラノで所有している高価なビンテージカーに乗って
助手席でナビゲート役を務めるのが恒例とか。
常に新しい動きを知ることが求められる中、情報収集について・・・
『仕事を通じて出会う人若い世代の人が何に興味をもっているのか、
今の20代で起業されている方はどのように思っているのかなど
いろいろな情報を得るようにしていますね。
今年で24年目になりますが、逆に聞かれる立場になってきているので、
意見交換の中では自分のフィルタリングとは違うスタンスで
若い世代の考えを聞いた方が、理解が深くなるというか、
違った形の受け取り方をするようにしています』。
++ From now on ++
毎年、年始にラスベガスで行われるテクノロジーの祭典、
「CES」で今後の注目として紹介されたのが「スマートグラス」。
「3Dメガネ」は上手く行かないテクノロジーとなりましたが、
「スマートグラス」は視界が綺麗でスマートフォンの小さい画面から
開放されて生活の一部として入ってくるのではと注目しているとか。
『場所が関係無くなるので家にいてもいろいろな人と話せることや
ラジオはもっと面白くなるだろうと感じています。
映像表現はもっとシンプルにならないと人に入り込んで行かないので、
インフォグラフィックス的にシンプルで良かったりもしますし、
好きな人はそれを受け容れる時代になるのではないかなと思います』。
日本では2020年春に運用がスタートする5Gは新しい都市作りにも
活用できると考えているそうで、映像表現が空間から建築に移った中、
新しい都市作りに5Gを併用していくことで人々の生活が違った形になれば
コンテンツ寄りだけではなく、そこに住みたくなると考えていることから
今後、取り組みたい分野だということです。
今後の夢について・・・
『そこそこの年齢になったので、家族や社員など親しい人に
“ありがとう”と言われるような関係値を築くという
小さな夢を続けて行きたいです。
そして、街作りに関してより良い生活ができるようなこと。
東京だけではなくて、そういった新しい試みを体験することに
チャレンジしてみたいですね』。
高橋さんが代表を務める「WOW」の作品は
ロンドンのカルチャー・センター、
「ジャパン・ハウス・ロンドン」で3月26日まで展示中。
六本木ヒルズの「森アーツセンターギャラリー」で開催されている
「特別展 天空ノ鉄道物語」では外回りの空間演出を手がけていて、
新たに空想で作った駅を夜景と共に電車が走り始めるシーンを
プロジェクション・マッピングで観ることができます。
また、3月に開業する
「高輪ゲートウェイ駅」では巨大なスクリーンでの
展示を予定されています。お楽しみに!
ON AIR LIST
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ME AND YOU TOGETHER SONG / 1975
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LOVING IS EASY / REX ORANGE COUNTY FEAT. BENNY SINGS
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VIVA LA VIDA / COLDPLAY
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GOOD NEWS / MAC MILLER