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STORY

2020.01.04

「東京スリバチ学会」の会長、皆川典久さん

++ Introduction ++

「東京スリバチ学会」の会長を務める皆川典久さん。
東京には湧き出る水が作り出した“スリバチ状”の小さな谷間や窪地が
たくさん存在しているということで、そういった場所を歩いて発見して
記録するのが活動内容で、
入会資格や規約は無く、現在の会員は3名だそうです。

「東京スリバチ学会」が注目している地形について皆川さんは・・・

『山あり谷ありではなくて大地と小さな谷間の連続…
武蔵野台地はほとんど平らなんです。
でも、そこにスプーンでえぐり取ったようなスリバチ状の窪地が
たくさんあって、それは実は港区や新宿区など都心ほど多いんですね。
世界的に見てもこういった密度で谷がある町はそうそう無いと思います。
谷が複雑な地形を作っているということまでは気付きにくいんですね』。

皆川さんによれば代表的なのは町自体がスリバチ状になっている渋谷で、
迷った時には坂を下れば渋谷駅に辿り着くことができるそう。
スリバチ状の底にある駅周辺で宇田川と渋谷川が合流している上に
小さな川が二つの川に流れ込んでいて、それらの小さな谷は湧水が
作っているとか。

湧水の小さな池がある「鍋島松濤公園」や「神泉」一帯を始めとして
渋谷の町には典型的なスリバチ状の小さな谷がいくつかあることで
丘が分断され、山が存在しているということです。

『渋谷駅から少し離れて坂を上って行くと“山”が付く町名があります。
「神山町」「鉢山町」「円山町」「代官山町」「桜ヶ丘」・・・
実は渋谷の個性を作っているのも“デコボコ地形”ですし、
そういった“スリバチ地形”なのかなと思います』。

地名は地形と関連しているケースが多いということで、
東京は「渋谷」を始めとして「四谷」「市ヶ谷」「千駄ヶ谷」「幡ヶ谷」
「谷中」「茗荷谷」など“谷”が付く地名が都心部に多いとか。

皆川さんによればスリバチ散歩の初心者にお薦めのエリアは・・・

『スリバチ状の地形が一番わかりやすいのは四谷の荒木町だと思います。
「四谷三丁目駅」辺りで降りて曙橋方面へ歩いて行くと分かります。
下りては上るような小さな窪地で、その底に池が残っていて…。
もともとは大名屋敷でしたが明治時代に産業地や花街になって
今でも個人経営の小さな店舗が多く、隠れ家的な場所がたくさんあって
いいですよね』。



++ Until now ++

学生時代は建築設計や都市計画を学ばれたという皆川さんが
スリバチ地形に興味をもつようになったきっかけは、
上京後、憧れだった東京都内を歩き回っているうちに
坂が多いと感じたことから。

『ある時に3つ手前の駅で下車して歩いて会社に行こうと思って
そこで出会ったのが「薬研坂」。青山通りから一本道を入ると
スリバチが待っていて、それがきっかけで“スリバチ”と名付けて…
その時の出会いを“脇道にそれてみたら、そこはスリバチだった”(笑)。
そういう驚きをもって始めたのが2003年です』。

学会では、
上ったり下りたりを繰り返す地形をもつ高輪を
“スリバチ銀座”と呼んでいて、
至る所に湧水が作った池もあり、
ホテルの庭として残されている所も多いそう。

皆川さんが街歩きをする時に活用しているのが「カシミール3D」という
地図ソフト。標高5メートルメッシュのデータを可視化して、
下調べした上で現地に出かけているとのこと。
アプリ版では過去の地図から地形までレイヤーで分かれて
重ねることができる「東京時層地図」がお薦めということです。

これまで書籍も数多く上梓されている皆川さんの最新刊は、
昨年末に出版された「東京 スリバチ 地形散歩」。
2012年に発売された「凹凸を楽しむ東京スリバチ地形散歩」の新書版で、
新たに赤坂と下北沢について加筆した一冊とか。
また、「ブラタモリ」で皆川さんが紹介している地形模型を一堂に飾った
地図だらけのスナック「M」が赤坂にオープンしたそう。

++ Right now ++

地形や街歩きが好きな皆川さんのもう一つの趣味が「断面マニア」・・・

『宿泊したホテルなどの断面を思い描いて図面を書くんですね。
東京の町も断面で見ると実はとても高低差があって面白い…。
実は再開発された場所も高低差は無くならないですからね』。

さらに皆川さん、“スリバチの空は広い” “町の窪みは海へのプロローグ”
“谷間に咲く花を求めて”“スリバチは突然に”など「スリバチポエム」も
発表されています。

海外ではローマとパリでも「東京スリバチ学会」のフィールドワークを
行っているという皆川さんが次に注目しているのが・・・

『今年、もう決めています。
6月13日、土曜日の10時にイスタンブールのアヤソフィア前に集合。
基本的に現地集合、現地解散で皆んなで歩くのは一日だけなので
それをコアにスケジュールを立てていただければと』。


++ From now on ++

スリバチや湧水で作られている町は世界的にもあまり無いので
谷があることを東京の魅力として発信して行きたいという皆川さん。
地形と水に着目すると
町の魅力や歴史に気が付くきっかけになるということで、
現在は千葉、多摩武蔵野、秋田、宮城、名古屋など
「ご当地スリバチ学会」ができているとか。

『歩いて町の魅力を発見しようという流れができると面白いと思います。
そこから派生して自分の趣味を広げるのもいいですし、
そもそも、目的をもたずに歩くというのは散歩の楽しみみですからね。
そして、もう一つは「東京発掘プロジェクト」・・・
東京のお宝は地面の下に眠っているということで、
そういった物を復権、復活して水の都・東京の新しい姿を描いてみよう
といったことを学生たちとやっています』。

その成果は1月18日13時30分から法政大学の市ヶ谷田町キャンパスの
5階にあるマルチメディアホールで発表されます。
入場無料、事前申し込みも不要とのことで
興味がある方は足を運んでみては。

ON AIR LIST

  • REASONS I DRINK / ALANIS MORISSETTE
  • LILY OF THE VALLEY / QUEEN
  • RIDE ON TIME / 山下達郎
  • SAY WHAT YOU WANT / TEXAS

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